最近、読んだ後にも疑問が残ってあれこれ考えちゃう不思議なお話にはまっています。
こちらの『ヘリオさんとふしぎななべ』も、そのうちの一冊です。
いつもおなかをすかせた貧乏な絵描き、ヘリオさん。
ある時骨董屋で、底に穴が開いたおかしな鍋の絵を見つけます。
その絵が妙に気になったヘリオさんは家に持ち帰り、筆と絵の具で鍋の穴をふさぐのです。
するとその晩、あの鍋が動き出して…?
持ち帰った絵の裏に、『この絵に決してらくがきするべからず』ってお札が貼ってあるところから、もうなんだかいわくありげ。
読者としてはもちろん、何かが起こることを期待してしまうのですが(笑)
でも、その後に続く不思議な出来事は予想もしなかった内容でした。
それは読んだ時のお楽しみとして、お話の中に出てくるシチューは本当に美味しそう!
おなかがペコペコのヘリオさんが引き寄せられるのも、無理はないと思いました。
ヘリオさんより前の絵の所有者がどうなったのか考えると、ぞくっとするような、キツネにつままれたような、どうにも悩ましい気分になるお話でした。
秋の夜長にいかがでしょうか。