仲良しのエっちゃんの誕生日に、おばけのアッチはハンバーグを作ってあげることにしました。エっちゃんの家に行く途中、ノラ猫のボンに会い、二人はどちらが美味しいハンバーグを作れるか競争することに…ちいさなおばけシリーズ第2弾。前作でお料理をつくる楽しみを覚えたアッチが、今度はお料理対決です。材料は全く同じ。二人はお互いの技術を純粋に競うのです!
まさに、意地のぶつかり合い。そんな真剣勝負の中にも、いろいろなドラマがあります。玉ねぎで泣かされたり、相手の秘術をのぞき見しようとしてみたり、勝負中なのに空想に耽ってみたり…私は玉子を割る時のエピソードが大好きです。なんて紳士的な、優しい取扱い。そんな風にされたら、玉子も全面協力しちゃうでしょう。
幼年童話ということになっていますが、大人が読んでも十分面白い作品です。おばけとノラ猫の性格や気持ちの微妙な変化が、厳選された言葉で見事に描き出されています。こんな意地の張り合い、よく見かけます。いくつになっても、見栄を張ってハッタリかます自分を思い、苦笑い。
この本を読むと、ハンバーグを食べたくなるので、材料を買ってから本を開きましょう。(もちろん、市販品でもOK)