実体験を基に描かれた物語という解説で、とても重たい絵本になってしまいました。
火事が原因で引っ越した先で不仲になってしまった両親。
長い別居の後に、著者(?)と母親が悲しい初めての旅に出るのですが、この上ない貧乏の旅でした。
旅の目的地は、母親の好きだったという男の墓。
現在だったら著者(?)は生まれていなかったのでしょうか。
思いきり泣いて、母親は再び父と暮らすようになったというお話。
こんなエピソードを描ける人生を送ってきた著者は、人生の奥底を鮮明に描写する画家となりました。
裏表紙の合掌の絵が、慈しみに満ちているように思えました。