食べ物の記憶は結構残っているものだが、どうも「キムチ」を初めて食べた記憶がまったくない。
あれだけ癖がある食べ物だから覚えていてもおかしくないのだが、まるで、ない。
チーズは小学校の給食で初めて体験(昭和30年代後半)し、「なんだ、この腐った食べ物は!?」と驚愕した記憶があるのだが。
漬け物といえば、キュウリとかハクサイ、あるいはナスの浅漬けと決まっていたから、「キムチ」を食べたら印象に残るはずなのに。
いつの間にか、「キムチ」のブームはやってきたのだ。
もちろん、「キムチ」は韓国の代名詞になるほどで、今や日本の食卓にもしばしば登場する食べ物だ。
韓国では秋の終わりごろひと冬食べる分の「キムチ」をまとめて漬ける行事「キムジャン」があって、韓国の絵本であるこの作品ではその時の様子が描かれている。
「ソンミ」の家の裏庭の小さな家に住むねずみたちが主人公になっているのは、絵本ならでは。
このねずみたちも、「キムチ」づくりに挑戦していく。
ねずみにできて、我々にできないはずはない。
この絵本を見ながら、本場韓国の「キムチ」づくりをやってみるのも楽しそう。
つまり、この作品は絵本として楽しむだけでなく、料理の愉しみも味わえるようになっている。
ちなみにこの絵本ではハクサイを使った「キムチ」の作り方が紹介されているが、たくさんの種類の「キムチ」が紹介されている。
大根、キュウリ、芥子葉。とさまざま。
韓国に行けば、目からウロコの「キムチ」のオンパレードが体験でsきる。
この絵本は韓国の作品で、絵を担当しているのも韓国の人だが、どこか欧米風なのが面白い。
「キムチ」という代表的な韓国料理を紹介しながら、お父さんもお母さんもシャレている。
もっとも韓国だから、民族衣装のチマチョゴリを着ていないといけないというわけではない。
「キムチ」が日本の食卓で普通に食べられるように、服装とか文学とかいったものも日本と韓国の間でもっと交流ができればいいに、きまっている。