写真絵本です。作成したのはフォト・ジャーナリストの長倉洋海(ナガクラヒロミ)さんです。
後書きを読めば、作者のこの作品への思いがよく伝わってきます。
タイトルを読んで、ほとんどの人がどこか懐かしい気持ちになると、思うのですが、このタイトルは「山村暮鳥」の有名な詩からとったそうですよ。
やはりジャーナリストという職業だからなのでしょうか?
私は子ども向けに作られた写真絵本とは違った目線でシャッターを切られているような気がしました。
広く美しい空と、それに溶け込むように存在するの建物や人間たち。
子どもたちの勉強している姿や笑顔のアップもよかったのですが、
個人的にはどこかの山間の、ある一家の家族写真が目を惹きました。
ここだけ誰かのうちのアルバムを覗いているような気持ちになりましたが、それはそれで、この「震災」の起きた土地には今もたくさんの家族が住んでいるんだ。ということをこの1枚で、改めて意識しました。
写真がメインで、文字はほんのちょっと写真を補う程度に書かれています。字も大きく読みやすいです。
小学校の中学年くらいから、読み聞かせにもお薦めです。
一番最後のページ
ぽっかりと浮かんだ雲は
これからも ゆったりと 流れていくのだろう
を読み忘れないようにしてくださいね〜。