3歳3ヶ月の息子に図書館で借りましたが、
少々難しく感じ、自分のために読んだ絵本です。
「黄いろのトマト」。
題名を聞いた限りでは、最近の作家さんの作品だと思いました。
なぜなら、最近、スーパーでもよく黄色いトマトを見かけるようになったから。
が、宮沢賢治の作品でびっくりしました。
当時、トマト自体もどれだけ日本で食べられていたのでしょうか。
なぜ「黄色」なのか、そして「トマト」なのか、ちょっと不思議な感じがしました。
…そしてやはり、文中でも黄色いトマトはシンボリックに使われていました。
ちょっと異国情緒あふれる…というか西洋もどきの感じのするストーリー。
トマトもそういう雰囲気の中で使われているのですね。
降矢さんの絵が、その西洋もどきの雰囲気をとてもよく醸し出しています。
少し不思議なストーリーにマッチし、少し幻想的。
西洋のものとも日本のものとも言いがたい。
また、文章には色の表現がとても多く、かなり意図的に使われている気がしますが、それを降矢さんの絵が巧みに表現していると思います。
私には…宮沢賢治が何を伝えたいのか、今イチ理解できませんでした。
その、無垢な気持ちを大人に一蹴されてしまう、悲しい気持ちは伝わってきました。
また、文が現在の絵本にはない表現なので、それも魅力的でした。
息子にはもう少し大きくなったら読みたいです。