アンデルセンのお話は後にして、とてもオシャレな絵本です。
絵の中に様々な造形を取り込んで、物語をとても大人テイストに包みこんで、格調まで高めているように思いました。
だから、物語も大人目線で味わいます。
森の中で育っていたモミの木は、切られて運ばれていく大きなモミの木たちに憧れを持っていました。
新しい船の柱になって、世界を旅するなんて最高じゃないでしょうか。
けれども、それほど大きくならずに切られて行くモミの木はきれいに飾られるのだと聞いて、それも良いなぁと思うのです。
モミの木にとって、幸せって何だったのでしょう。
モミの木は、クリスマスツリーになって、森では得られない経験をすることになりました。
モミの木は、その時歓びでいっぱいでした。
でも、モミの木は役目が終わったとき、一生を終えるのです。
人生になぞらえると、とても深いものがあります。
森でいつまでも大きくなることが、必ずしも幸せだとは感じられないからです。
でも、この絵本の余韻に浸ってから思いました。
持続可能な幸せってあるのだろうか。