約100年前の大正時代に書かれた、童話作家浜田廣介の青年時代の作品。
有名な童話、「むくどりのゆめ」や「泣いた赤鬼」と同様、静かな余韻が残ります。
町はずれの古びた一本の街灯が主人公です。
街灯は、自分は古びてもうすぐ倒れてしまうと悟っていたのです。
でも一つの願い、星のようなあかりくらいになりたい、という思いもあったのですね。
でも現実は、虫たちにもあしらわれてばかり。
すっかり落ち込む街灯ですが、10才くらいの男の子の言葉が奇跡を起こすのです。
深い深い余韻が残ります。
小学生以上なら、大人も、考えさせられるおはなしです。
初めての絵本化とのこと。
ひろすけ童話の言葉の響きにそっと寄り添う素敵な絵だと思います。