朽ちて倒れかかったガス灯というとてもレトロな設定が、とてもしみじみと感じられるのは歳をとったからでしょうか。
誰もが通り過ぎていく、光の弱くなった街燈のたったひとつの願いは、星のように輝くことと、自分の明かりを認めてもらうことでした。
何分にもかつての輝きは失って、今にも消えそうな明かりです。
虫たちは相手にもしてくれません。
だけど、暗い闇にはとても明るい輝きに思える明かりでした。
通りかかった父子が「あの星より明るい」とほめて通り過ぎます。
考えてみると「星より明るい」という照度は微妙です。
決してまぶしくはないけれど、自分の道を教えてくれる明かりが、月明かりであったり、星のまたたきなのでしょう。
なんだか星のように明るいという言葉にじいんとしてきたのは、やっぱり歳のせいでしょうか。
自分も星のように輝きたいと思いました。