「ぼか どうぶつじゃない、、ぼか どうつぶ!」と名乗るへんてこな生き物が出てくる、何とも奇妙で、心にひっかかるお話し。
訳者の渡辺茂男さんの自作「もりのへなそうる」でも“ぼか”と喋る生き物が出てくるので、読み比べるとより楽しめます。
他にも「しょうぼうじどうしゃじぷた」「へそもち」「キウイじいさん」などの自身の作品の他、「おさるのジョージ」や「どろんこハリー」などの翻訳で、外国作品を身近なものにしてくれました。僕は洋書がどちらかというと苦手ですが、渡辺茂男さんが訳した作品は入りやすいものが多くて、洋書の入門編としてもお薦めできると思います。
白黒の挿絵に古さも感じますが、色がない分、“どうつぶ”の皮膚の色だったり、ボボじいさんが作る架空の食べ物“じゃむ・じる”の色なんかを、読む人の創造で膨らませやすいでしょう。
家族も“どうつぶ”が言う“ぼか”という言い回しが気に入って、たびたび会話で使ったりしますが、聞きようによっては、芦屋雁之助さんの山下清画伯になっているようにも感じます‥。