バスの中の座席を白人と黒人と分けられている時代がありました。『ローザ』という絵本にその時のことが出てきます。
この本を読むまでローザが席を立たなかったことで、黒人のバスのボイコットが起こりキング牧師の動きがあったと思っていました。
ところが、ローザの前にも席を立たなかった少女たちがいたことを知りました。
その少女の1人がこの本のクローデットでした。ただ、未成年であったことなどから、運動の看板としてふさわしくないとして、一連の活動の歴史・人々の記憶の中から忘れ去られていったのです。
この本の作者は実際にクローデットにインタビューを試み当時を浮き彫りにします。
公民権運動に対する白人の側の抵抗・いやがらせ、そして時には運動の当事者であるべきの黒人からの偏見の中にあった少女。
ローザ・パークスが看板となり得てこの少女がそうでなかったのか?運動の光と影の面を見る思いがしました。
そして、公民権運動が運動という名の闘いであったことをこの話から感じました。
15歳の少女が背負うにはあまりにも大きな闘い、その事実の重みにたじろぎました。