数年前、絵本サークルの男子学生が、私の目の前に自慢げにこの絵本を差し出しました。当時はまだ珍しい韓国の方の絵本で私も興味を持って読み、ウルっとしてしまったことを思い出しました。
「うんち」をテーマにした絵本はたくさんありますが、どちらかというと、おもらしとか排泄を扱ったものが多いように思います。うんちそのものの立場って、考えてもみなかったです。
絵本の中では汚い、と罵られていても、見ている限りはその汚さなどは伝わってこないし、むしろ子どもは、たんぽぽには大事なものだったのだ、ということが理解出来ると思います。雨に打たれ続けて土に溶け込み、たんぽぽの中に登っていく場面はとても美しいと思いました。
ちっぽけで、なきむし。だけど、いつか、きらきら かがやくー(本書帯より)。作者の方は、目立たないもの、弱いものに対する愛情と、明確な歴史認識に立った作品を多く書いておられるそうです。(本書奥付より)