私が読んでみた感想では、子どものための絵本というより、むしろ大人のための絵本という印象をもちました。図書館の司書の方とお話したときに、「これから新しい旅立ちをする子どもたちに、こういう絵本っていいんじゃないかな?」という意見も聞きました。
この絵本は、低学年で習う漢字に、ルビがありませんし、実際に自分で読んで内容をイメージするのは少し難しいかと思います。ちょっと臆病なネズミが森に一人で探検に行くお話で、森の中の自然の心地よさも書かれていますので、自然体験を豊富にしているお子さんで、親子など少人数で読み聞かせをするのであれば、小学1、2年生でも、共感し、楽しむことはできると思います。
訳者の柳田邦男さんが、「子どもに対し過保護になっている現代の親たちと社会に、子どもが育つとはどういうことか、その大事なことにきづかせてくれるだろう。」と書いていらっしゃいますので、訳者としても、大人のための絵本という意識をお持ちなのだと思います。
私自身は、木や草、苔の匂いのする森の中が好きですし、勇気を出して、新しいことにチャレンジしてみたら、気持ちが良くて、自信が出てきたというストーリーには、とても共感できます。木々の描写や、森の中で心地よさそうにしているネズミ君の表情が印象的です。