おにぎりが好きか、サンドイッチが好きかと聞かれたら、私は断然サンドイッチだ。
野原で開く弁当箱にはいっているおにぎりも素敵だし、中の具材がわからないのも興味がそそられるし、おにぎりが好きだという気持ちはないわけではない。しかも、きちんと整列した俵型のおにぎり(私の子供の頃は三角おにぎりではなくずっと俵型だった)のきれいなこと。
しかし、そんなおにぎりの利点を凌駕するものがサンドイッチにはある。
何よりも見た目がいい。
おにぎりのように具材を秘匿する喜びではなく、具材をしっかり見せる楽しさ。私は特にタマゴサンドが好きで、白い食パンにたまごの黄色が実に合う。あるいは、トマトの赤、レタスやキュウリの緑。
その点、おにぎりは昆布やおかかといったように、色が地味だ。
サンドイッチは色こそ命、みたいなところがある。
だとしたら、サンドイッチは絵本によく合う食べ物といえる。
子どもたちがクレヨンのふたをとって、いろんな色を前にして、どんなサンドイッチを描こうかと迷っている姿は、どのサンドイッチから食べようかと迷っているところと重なる。
小西英子さんのこの絵本、表紙はサンドイッチに使われる具材がふんだんに描かれている。
どれを見てもおいしそうではないか。
食べ物を描いた絵本でも物語でもそうだが、おいしそうなことが一番大切。
表紙を見て、中をパラパラ開いて、生唾が出てくれば、まず間違いない。
そして、絵本を開いて、サンドイッチを作っていく。
もうたまらない。