シメ、イスカ、シギ、カモ、ヨタカなど…
ヒタキは、そんな自分にはないそれぞれ特徴的な
鳥たちのくちばしをうらやましがります。
リアルな絵と共に、鳥たちのくちばしの役割が
分かり易く説明されています。
衝撃だったのはやはりラスト。
初めて読んだ時は読みながら内心「えぇ〜?!」と驚きました。
しかし、鳥たちの世界では鳥同士喰う、
喰われるものがあることは現実です。
自分のくちばしに自信を持ち、誇りを持って生きている
鳥たちに対し、自分の暮らしに満足できないヒタキ。
それぞれが便利なくちばしをもっているようでも、
それはその暮らしに見合ったものが与えられているということ。
その中で懸命に、生きるために生きていくしかないのだと
いうことがメッセージとして込められているような気がしました。
息子は最後の場面を見てしばらく固まっていましたが、
「ペリカンさんのくちばしでオオタカをつつけば
助かったんじゃない?」としきりに言っていました。
少し大きな鳥が怖い息子は、ペリカンのくちばしを武器としても
認識していたようです。
なかなか奥が深く考えさせられる1冊です。