「むかし ちょうせんの ある山に、とらが いっぱい すんでおった」…からはじまる、ちょうせんの民話。
最初のページがすごいです。
墨で描かれた山の中に、色んなトラが潜んでいます。人間を食べる、凶暴で怖いトラのはずですが、どのトラもどこかユーモラス。
その後も、本全体では、いったい何頭のトラが描かれているんだろう?というぐらいのトラが出てきて、ページ毎に見入ってしまいます。
お話は、人間を食べたい凶暴な大将トラと、おどりが好きすぎるトラ、そして笛が上手な木こりの少年を中心にすすみます。民話らしく(?)とりとめない感じで、木こりの笛は、楽しげな曲なのかな、哀しげな曲なのかな…と考えてしまいました。
物語より、絵を楽しんだ、一冊でした。