奥の深いお話。大人のための絵本でしょうね、これは。
100万回生きても、「生きる」ということに何の意味も見出さなかったねこ。死ぬことだって平気。
それが、自分以上に大切な存在に出会ったことで、真に愛することの意味を知ります。
身動きひとつせず聞いていた娘に、「どうだった?」と尋ねてみると、首をただ横に振っただけで、私の後ろに隠れてしまいました。「あんまり好きじゃないかなあ?」と再び聞いてみると、たった一言、「死んじゃったから」と。
年齢によって、境遇によっても、いろんな感じ方、捉え方ができる絵本だと思います。娘には、「生」よりも「死」のほうが深く心に響いたようで、「どうしてもう生まれ変わらなかったの?」と、しきりに聞き返してきました。有限の命だからこそ、生きている今を大切にしてほしい、幼い娘の顔を見ながら、そんな思いがこみ上げてきました。