私が20歳くらいの頃に読んだことがあり、とても心に残っていた本です。
子どもの読み聞かせには早いと思っていましたが、プレゼントでこの絵本をいただいて、6歳の子に読みました。
前半には、ねこがいろんな飼い主のもとで、その飼い主や環境を嫌いながら死に、そして生き返ります。
誰を愛することもなく、一度も涙を流すこともなく、100万回も生きるねこ。
ねこの死の描写が、「ぬれた ぞうきんのようになったねこ」や、手品つかいにまっぷたつにされる、おぶいひもが首に巻きついて、ぐらぐらの頭になってしまった、などとあり、小さい子どもに読むには残酷すぎるかな、という印象でした。
後半、ねこはのらねことして生まれます。
自分のことが誰よりも好きだったねこが、自分よりも好きと思える白ねこに出会い、たくさんの子ねこが生まれ、巣立っていきます。
おばあさんになった白ねこと、いつまでも一緒に生きていたいと思ったねこ。
その白ねこが、ねこの隣で静かに動かなくなったとき、ねこは初めて泣きます。
100万回も泣き、そして白いねこの隣で、静かに動かなくなりました。
ねこは もう、けっして 生きかえりませんでした。
最後は、読み聞かせながら、私が泣いてしまいました。
6歳の娘も、「白い猫と子どもの猫が一番すきだったから、もう生き返らないのかな」と言っていたので、なんとなくの意味は感じとれたように思います。
愛について考え、感じることのできる良い絵本で、大切に長く読み続けたいと思います。
ただ、前半部分の死の描写や、何度も生き返るという点など、幼い子には向かないと思います。
また子どものうちは、読み終えたあとにお話の内容について、大人のフォローが必要かなと思います。