もしかしたら、今は絶版になっているかもしれません。私が子どもの頃大好きだった本で、手元にあるのは、1966年8月発行のものなのです。でも、図書館などにはあるかもしれませんので、紹介します。
渡辺茂男:作、瀬川康男:絵の昔話です。
たろべえ、じろべえ、さぶろべえという三人むすこが、一人前になるために家を出て、旅に出ます。
長男のたろべえは、なまけもので、成り行きで泥棒になり、次男のじろべえは、おとなしく気がいいので、旅の途中で出会った長者どんの婿になり、三男のさぶろべえは、滅法気が強いので、殿様に仕えるお侍になりました。
そして、三年が過ぎたので一度とうさんの元へ帰ることになった三人は、思わぬところで鉢合わせします。そして・・・。
三人のむすこの性格が見事に三人三様で、そのお陰でその後進む人生も三人三様です。それでも皆それぞれ身の丈に合った幸せをつかんでいるところがとても面白いのです。泥棒になったたろべえにだって、悲壮感など微塵もないので、楽しいお話として読むことが出来ます。
表紙は旅に出た時の三人の姿が、裏表紙には三年たった時の三人の姿が描いてあります。その違い(違いのないのが1名)を見るのも楽しいです。
実は、私は三人姉妹なので、三人姉妹(または兄弟)の話が大好きで、結構探しては読んでいます。そして末っ子なので、もちろん肩入れするのは末っ子です。この本では、気の強いさぶろべえが一番のお気に入りです。
そんな観点から本を選ぶのも楽しいですよ。