トールキンといえば「指輪物語」「ホビットの冒険」とファンタジーの巨匠というイメージ。この絵本は物語なのかと思ったら、
トールキン自身が4人の子どもたちのために、サンタ・クロースになりきって書いた手紙だということがわかり驚きました。
文字が小さいのが残念ですが、長い年月にわたる手紙の数々、そのどれもが短編を読むような味わいがあり、子どものために文字を考え水彩画をほどこすという念の入れよう。
こんな手紙をもらった子どもたちは幸せだったでしょうね。この絵本によって私たちもその幸せのお裾分けをいただくことができて幸せです。
最後の手紙は戦争という時代背景もうかがえ胸がつまります。サンタ・クロースに手紙を送ることはあっても、サンタ・クロースから手紙をもらうというのは特別なこと。その特別なことを続けていたトールキンには、親として頭が下がる思いです。
「指輪物語」「ホビットの冒険」だけでない、トールキンの一面を知る上でも貴重な一冊だと思います。