「おさるのジョージ」はH.A.レイとマーガレット・レイ夫婦によって生み出された、絵本のキャラクターです。
あまりの人気に次々と作品が発表されました。
この絵本も、その中のひとつです。
「としょかん」が舞台ということで読んでみようと思いました。
なかよしの「きいろいぼうしのおじさん」と図書館に行った「おさるのジョージ」ですが、外国の、たぶんこれはアメリカでしょうが、図書館事情を知ることができます。
そ の点では、図書館好きにはとても興味深い絵本だといえます。
まず、「おさるのジョージ」が向かったのは、図書館のお姉さんが本を読んでいる「こどものへや」です。
最近では日本でも盛んに行われている「読み聞かせ会」です。
椅子に腰かけて図書館のお姉さんが絵本を読んでいます。子どもたちは床にじかに座っています。もちろん。この中に「こさるのジョージ」もいます。
次に、図書館の棚の高さです。
本を探すおとなたちの姿も描かれています。頭が出るくらいですから、そんなに高くはありません。
背もたれのゆったりした椅子に座っているおじさんも描かれています。日本の図書館ではなかなかこういう贅沢な椅子を見つけることはありません。
「こさるのジョージ」が乗っていたずらをする「ブックトラック」は、日本の図書館でも見かけます。
貸出カウンターは円型になっていて、利用がしやすそうです。
貸出しカードもちゃんとあります。
もちろん、「こさるのジョージ」も作ってもらいました。
そんな図書館にいる子どもたちの、なんと溌剌とした笑顔でしょう。
「おさるのジョージ」が巻き起こす珍騒動のせいではなく、図書館そのものが楽しくてしょうがないのだと思います。
「おさるのジョージ」のせいで散らばってしまったたくさんの本を書架に戻す子どもたち。
本を大切に扱わないといけない、という図書館の約束を知っているのでしょう。
図書館から帰る「おさるのジョージ」を見送る子どもたちの手にもたくさんの本があります。
本好きの、図書館好きの子どもたちの本が楽しい、いい本だったらいいですね。