幻想的なイギリスらしい怖い話のシリーズ「モンタギューおじさんの怖い話」の作者、クリス・プリーストリーの新しいシリーズ。
「トム・マーロウの奇妙な事件簿」第1巻です。
時は18世紀、舞台はロンドンの町。印刷工場をしている父の手伝いをしているトム・マーロウは15歳の少年。
前シリーズの「モンタギューおじさん…」は児童文学のジャンルに入ると思いますが、こちら「トム・マーロウ」シリーズはライトノベルに近いジャンルの作品です。
本の装丁などからも、今の10代の少年処女たちが手に取りやすそうです。
日本版のイラストは佐竹美保さんです。
街で起きた不思議な事件の三人目の被害者は、トム・マーロウの親友=ウィル・ピコットだった。
すりだったウィルが巻き込まれれ、殺されてしまった真相を探るため、トム・マーロウは父の工場によく印刷物を頼む博学のハーカー博士とともに謎に挑んでいくというストーリー。
本書は21章でなっていて、1章1章は短く簡潔で読みやすい文章です。
ミステリの謎解き要素はあるものの、そこだけに重きを置かず、町全体の風景、その時代でこその歴史的な情景などがさりげなくちりばめてあるところは、クリス・プリーストリーらしさが出ています。