ストーリーテリングについて勉強する機会がありました。
同じ作品でも語る方が違うと、お話の空気が微妙に変わりそれぞれに趣があります。
その物語に、魂がそれぞれに込められ伝わってくるように思われました。
「語り」は、物語が本来持っていたであろう力をダイレクトに表すことが出来、聞き手の想像力が大きく広げられる、という印象を持ちました。
活字や美しい(時にユーモラスな)絵に頼らず、語り手が誇張した身振り手振りや声の抑揚すら押さえ、淡々と語っているのです。
「人の話を聞くことに対する集中力の欠如」と言った教育現場で問題視されていることの解決の一助になるのではとも思います。
この作品は、このストーリーテリングの会で語られていた作品が、たくさん掲載されていたので図書館から借りてきました。
指遊び歌を含め11作品がおさめられています。
なかでも「エパミナンダス」は、聞いたときにわたしが想像した映像が蘇って来、再び楽しめました。
わたしが、試みてみたいなと思ったのは「スヌークさん一家」 (ハーコート・ウイリアムズ作)です。
就寝前の蝋燭の火を上手に消せずに奮闘する一家が、お巡りさんに手伝ってもらうのですが、結局お巡りさんにお礼を言い、見送る時にまた蝋燭を点けてしまうという愉快なおちが気に入りました。
また、「かしこいモリー」(イギリスの昔話)も絵本で読むのとは異なったドキドキ感がありました。
ストーリーテリングを試みようとしてる方にお薦めしたい作品です。