カバー折り返しの文を読み、この作品のモチーフが訪日の際、キーツさんが目にした日本の男の子の様子だったということで、興味を持ち読みました。
“ピーター”シリーズもそうですが、子どもの目線まで降りていけると言うか、子どもの内面に寄り添えるキーツさんの繊細さに感動してしまいます。
スージーとロベルトの参加している人形芝居に、無口で人と関わりを上手に持てない男の子ルイも、前の席に一人ぽつんと座り見に来ていました。
劇が始まり、人形のガッシーちゃんが出てくると、ルイが立ち上がり周囲の罵声も聞こえぬような見入りようで、ガッシーちゃんに「こんにちわあっ!」と言い、・・・。
この窮状をスージーとロベルトが、上手くまとめるのに感心しました。
そして、さらに最後のお話の閉じ方も素敵でした。
ルイのような行動を子どもたちは非難したとしても、大人である私たたちは自分にも我を忘れるような心動かされる出会いがあったことを思いだし、眉を顰めず優しい気持ちで見守り待ってあげたいものだと思いました。