昔の名作を気軽に読める、ステキなシリーズ。
【収録作品】
・「踊る人形の謎」 作・コナン・ドイル (阿部知二・訳) 原作:1903年発表
・「黄金虫」 作・エドガー・アラン・ポー(金原瑞人・訳) 原作:1843年発表
・「暗号とミステリ」 著・戸川安信 ※書下ろし
大御所の有名なミステリ作品を、読みやすく工夫されたデザインで、しっかり楽しめます。文庫本などでは、ハードルが高く感じる作品でも、この「Little Selections あなたのための小さな物語」シリーズなら、気軽に読むことができます。
4作目は、暗号をテーマにしたミステリですが、文章の他に絵や、暗号の例題が乗っていたりして、読者も暗号を解く楽しみがあります。パズルなどが好きな人には、特に楽しんでいただけるのではないかと思います。
(私は暗号やパズルが苦手なので、適当に飛ばして読んでいましたが…)
こういう謎を解くことが楽しみになる人や、問題を解くことができる人はスゴイ。
自分がそういう能力が全然ないので、理解できる読者も、物語を作った作者も尊敬します。
でも、そんな風にパズルや謎解きが苦手な人でも、物語は楽しめます。
謎がわからないので、最後まで興味をもって読み切ることができるという意味では、むしろミステリが苦手な人の方が、得なのかもしれません!
最後に戸川氏の暗号についてのやさしい解説があり、例題があり、おススメの暗号関係のミステリ本の紹介があり…盛りだくさん。興味をもったらどんどん次の読書につながっていけます。
戸川さんは、東京創元社(ミステリが強い出版社)の編集者→社長→顧問と、人生をミステリに捧げたような人だそうで。どうりで解説に愛情がこもっていました。