絵本作家・五味太郎「やっぱり絵本はおもしろい!」クリスマス特別トークライブレポート!

今年も残りわずかとなった師走の六本木TSUTAYA。
イルミネーションも華やかなこの場所で、累計著作450冊を超える五味太郎さんのトークライブが開催されました!特別ゲストは、弊社絵本ナビ代表の金柿。
絵本への熱い思いを持った二人が繰り広げるトーク。
さて、どんなライブとなったのでしょうか。特別に一部動画も大公開!絵本から受ける印象とは違った、トークライブの様子をどうぞお楽しみください!

ハイライト動画

日時:12月3日(水) 19:30〜21:30   場所:TSUTAYA TOKYO ROPPONGI 2F特設スペース

五味太郎さん × カナガキさん 対談

司会の紹介に合わせて、颯爽と現れた五味さん。
カナガキ代表はちょっぴり…いや、かなり緊張している様子。
そんなカナガキ代表に「緊張していますね〜。」と軽いジャブを送る五味さん。

五味さんとカナガキ代表は同じ高校出身!

最初のトークは五味さんが高校時代に作ったワンダーフォーゲル部の話。
何と、五味さんとカナガキ代表は同じ高校の先輩後輩の関係なのだそう!
(年代はかなり離れているそうですが…)

ワンダーフォーゲル部設立の話から、絵本の話へと五味さんの話は広がっていきます。
五味さんいわく、ワンダーフォーゲル部を創った経緯と絵本を描くことは同じなのだそう。

「楽に行かないと本質に行かない。気楽なところから入らないともっともっとと突き詰めていくところに至らない」。楽で楽しげで愉快だからこそ、本質にたどりつけるのだと五味さんは言います。それが五味さんにとってのワンダーフォーゲル部であり、絵本なのでしょう。

絵本ナビから五味さんへのQ&A

イベント会場は、六本木でもイルミネーションスポットとして人気の高い、六本木けやき坂通りを見下ろすロケーション。窓からは青いイルミネーションと赤いイルミネーションが交互に楽しめました。そんな外の様子を楽しみながら「このきらびやかな様子に合う話じゃなきゃダメだよ」と、要求する五味さん。
それならば…と、絵本ナビプレミアム会員の方から募集した質問に答えていただきました。

ご自身の転機となった作品はありますか?
ないです(会場笑)。ずーっとないです。あんまり関係ないみたい、オレ。ずーっと同じ感じ。

カナガキ:
売れる売れないとかはあるじゃないですか?

五味:
ないね(笑)。ほかの出版社が「うちも『きんぎょがにげた』の様な作品を描いてください」って言ってくることはよくあるけど、「もうあるから良いじゃん」って返しちゃう。ただ、描いていて自分でこれはエポックメイキングだ!って思っているのが全然売れなかったり…。だって400冊以上の中でちゃんと売れているのは50冊ぐらい…打率悪いよね。

どんな時に作品のアイディアが浮かびますか?
すぐ浮かぶよ。ここでも描ける。でも、面白いかどうかは分からないけどね。オレはいつも何か考えているのね。四六時中考えているね。どこで考えているかって…考えてないんだよ…たぶん、天才なんだよオレ(会場笑)。だって簡単なんだもん、絵本を作ることに関してはね。

カナガキ:
アイディアは降ってくるんですか? 湧いてくるんですか?

五味:
その間くらいかな。いつも、気にしていることがあって、深く、重たく、強く、あるいは軽く、柔らかく…差はあるけど、気にしているんだよね、いつも。オレが大事にしているというか得意としているのは「気分」なんだよね。「気配」かもしれない、「雰囲気」かもしれない。それがストーリーっぽくなったとき、オレに近い「気配」が出たなと思うと、「いける!」って思うわけ。

子どものころから絵本は好きでしたか? 子どもの頃に読んだ絵本は覚えていますか?
オレ、「子ども」をやったことがないんだよ。ずっと「五味太郎」をやっていただけで。来年70歳になるらしいんだけれど、「お爺さん」をやっている気はないんだよ。それは外野が言っていることであって、「子どもの頃はどうでしたか?」って聞かれても、答えられないんだよ。でもそれは翻って、今の子どもたちもそうでだと思うんだよね。子どもって言われているから子どもをやっているんだよ。

五味さんの絵本のリズムのある楽しい言葉選びが気に入っています。「子ども時代」からそういう言葉選びをしていたのですか?
たぶん、4才〜6才くらいの五味太郎の生活環境の中にリズムがあったんだろうね。親父が落語を聞いて、祖母さんが歌を歌っていて、祖父さんと歌舞伎を観に行って…そのときに感じたリズムが面白かったんだよね。言葉がどうすれば快いのかな…というのはいつも考えている節があるよね。言葉のリズムや、リズムから外れたリズムに興味を持っている部分はあるよね。
画材のこだわりはありますか?
こだわりはない。こだわりはないけれど、スムーズにやりたくて、画材でこけている暇はない…って思ったら結果としてこうなったとうのはある。画材は自分のものにならないとダメだよね。それで苦労しました。あと、印刷の苦労話もある。でも、それを話したら、2日くらい話しているよ。初期の『みんなうんち』とかは良く描いていたなって思う訳。あれからいろいろ変遷しているから、今ならもっとうまく描けるのにな…って思う(笑)。

五味太郎さんから見た、ゴッホとは?

1時間半に渡るトークイベントは笑いあり、ちょっと過激な発言が飛び交う場面あり。
特に五味さんがゴッホをどういう人だったのか考える…という話では、「ゴッホは伝説…レジェンドなんだけど。生身の人間じゃない。だからいつも耳を切っていたわけじゃない。トイレにも行くし、飯も食っている…だらだらしているんだよね。そうやって考えるのが大好き!」と楽しそうに話していました。
同じようにベートーベンやモーツァルトについても、いろんな面を切り取って見る癖があるとおっしゃっていた五味さん。五味さん流の人の感じ方に目から鱗が落ちる思いでした。

時間があればいくらでも広がっていきそうな2人のトーク。
会場では五味さんの絵本のほか、日本ランズエンドさんが行っている、五味さんのキャラクターを洋服などの刺繍できるサービスや、キヤノンさんで開始された五味さんの描きおろしイラストでフォトブックを作るサービスなどの紹介もありました。
絵本だけでなく、洋服やバッグ、フォトブックまで…。その多岐に渡る活躍は、老若男女関係なく、多くの読者に愛されている五味さんの作品だからこそなんだな…と改めて感動しました。
イベントの最後は、『さる・るるる』の刺繍が入った特製トートバッグ(日本ランズエンド)が当たる抽選会!
一足先に訪れたクリスマスプレゼントに、皆さんの心もポッカポカになっていただけたと思います。


【企画・制作・監修】 絵本ナビ / 五味太郎アネックス事務局
※ページ内の映像、イラスト、文章の無断利用、転載等はご遠慮ください。


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アメリカ生まれの上質カジュアル・ファッション通販 ランズエンド。
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五味太郎 作品紹介
まどからのおくりもの まどからのおくりもの 出版社: 偕成社
かげのひこうき かげのひこうき 出版社: 偕成社
百人一首ワンダーランド 百人一首ワンダーランド 出版社: 東京書籍
さる・るるる・る さる・るるる・る 出版社: 絵本館
小学生のための 漢字をおぼえる辞典 第四版 小学生のための 漢字をおぼえる辞典 第四版 出版社: 旺文社
のんびりしてたら のんびりしてたら 出版社: ポプラ社
ぼんやりしてたら ぼんやりしてたら 出版社: ポプラ社
はやくあいたいな はやくあいたいな 出版社: 絵本館
五味太郎のことわざカレンダー 五味太郎のことわざカレンダー 出版社: 旺文社
ことばのえほんあいうえお ことばのえほんあいうえお 出版社: 絵本館
その気になった! その気になった! 出版社: 旺文社
  • 五味太郎グッズ
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