話題
日・中・韓平和絵本 へいわって どんなこと?

日・中・韓平和絵本 へいわって どんなこと?(童心社)

テレビで話題!いま、かんがえてみませんか?

  • ためしよみ

検索結果

現在の検索条件

12歳〜

6652件見つかりました

★5  中学生に読み聞かせ 投稿日:2011/02/22
きのぴいさん 30代・ママ・栃木県  女の子4歳、男の子2歳
ビッグブック とべバッタ
ビッグブック とべバッタ 作・絵: 田島 征三
出版社: 偕成社
中学校でおはなし会を行いました。
その時に、図書委員が読み聞かせをしたのが、この本です。

図書委員が自分たちでこの絵本を選びました。

迫力のある絵。
よけいな言葉のない文。

あっという間に観客はこの本の世界に入ることができました。

子どもたちの感想も
「バッタが飛べてよかった」
「不格好でも、やれることをやるとかっこいいんだ」
などと前向きなものが多かったです。

中学生による読み聞かせなので一生懸命さが伝わってよかったのかもしれません。
大型絵本は幼い子どもたちだけでなく、中学生ぐらいにもおすすめです。
参考になりました。 0人

★5  時間と空間を超えた外国へ旅行 投稿日:2011/02/20
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子12歳
エヴァ先生のふしぎな授業
エヴァ先生のふしぎな授業 作・絵: シェシュティン・ガヴァンデル
訳: 川上 邦夫

出版社: 新評論
 春休み向けのお薦め作品を探していて、高学年向きにどうかと読んでみました。

 EU加盟国の増加に伴って、ヨーロッパの様子が加速度的に変わってきている中、現代のスウェーデンの子どもたちのために、100年前の「ニルスのふしぎな旅」と肩を並べられるような、新しい読み物を作ろうという企画で2002年公募し、当選した作品だそうです。
 「ニルスのふしぎな旅」は、セルマ・ラーゲルレーヴが、20世紀初めのスウェーデンの地方の村や町にでは学校も少なく、自国の歴史や地理についても、地域によって人々がどんなに異なった生活をしているかも子どもたちは知りませんでした。
 それを伝えるべく編まれた作品です。

 この作品もまさに1995年、EUに加盟したスウェーデンの子どもたちにとって、全体のしてのヨーロッパを把握・理解しずらくさせています。
 そのようなスウェーデンの子どもたちのためにという趣旨により作られた作品ですが、私たち日本人にとっても読み応えのある作品でした。

 6年生となった主人公のクリスティーンが、クラスの担任となった秘密めいたエヴァ先生と出会い、そして不思議な授業を体験します。
 スウェーデンの学校ならどこにでもあるグルップルム(教室に付属する小部屋)をタイムマシンの発着基地にかえ、クラスの子どもたちをひとりひとりを、時間と空間を超えた外国へ旅行させ、そこの国の歴史を直接体験させるというお話です。
 
 あとがきにもあるように、賞賛の裏側で酷評もあることは否めません。
 が、小学生の読み物としてはクラスの中の生徒たちのパーソナリティが見事に書き分けられていて、生徒同士の関係・生徒と教師の関係・生徒と家族の関係などもおりこまれ、等身大のと登場人物たちに共感と一緒の連帯感を持ち読み薦められる作品だと思います。

 12歳の息子に勧めたところ、見事にクリスティーンのクラスメートになってしまい夢中で読んでいました。
 高学年から中学生、いえいえ高校生以上の方にもお薦めします。 
参考になりました。 0人

★5  妖精を信じる心 投稿日:2011/02/21
夢見るアリスさん 40代・ママ・神奈川県  男の子15歳、女の子13歳、男の子7歳
フラワー・フェアリーズ魔法のとびら 妖精の王国へとつづくとびらを見つけよう
フラワー・フェアリーズ魔法のとびら 妖精の王国へとつづくとびらを見つけよう 作・絵: シシリー・メアリー・バーカー
訳: みま しょうこ

出版社: 大日本絵画
子どもの頃「ハイクイラウン」というチョコレートに入っていた妖精シリーズの小さなカード。
たくさん集めたあのカードは今でも宝物です。
それを見て「きれいな絵」と目をきらきらさせた中学生の娘へのプレゼントとして購入。

妖精の世界は本当にあると信じさせてくれるこのポップアップシリーズは現実を忘れる時間を与えてくれます。

ぜひ、3冊を揃えてください(*´∇`*)
参考になりました。 2人

★5  このシニカルな笑いを解せるのは、高学年 投稿日:2011/02/19
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子12歳
おりこうねこ
おりこうねこ 作・絵: ピーター・コリントン
訳: いずむら まり

出版社: 徳間書店
 「聖なる夜に」でコリントンさんの世界に魅了され、この作品を捜し借りてきました。
 12歳の息子にとって、ちょうど良い年頃に出会えた作品だと思います。

 毎日多忙な飼い主におざなりにされ、餌を待ち続ける事に嫌気がさした猫のシマシマ。
 意を決して、自らキャットフードの缶を開け食べ始めたら、家族はシマシマの能力を「おりこうね」と賞賛し、家の鍵の開け閉め・ATMでお金を下ろさせ・果ては買い物までさせる調子の乗りよう。
 シマシマのささやかな余暇を過ごす様子に「可愛い〜」と見つめていたら、なんと外へ働きに出ろ!という飼い主。
 もう、ここで呆れながら笑わずに入られませんでした。

 さて、人間顔負けの働きぶりの“おりこうなシマシマ”のお利巧な解決の仕方に参りました。

 「よくできてるお話だなぁ〜」と、息子が感嘆の声をあげていました。
 このシニカルな笑いを解せるのは、やはり高学年からかなと思います。

 とにかく綿密に練り上げられた愉快なストーリーでした。
 シマシマも可愛らしさを削ぎ落としたようなキャラクターで、このお話の中で生かされていると思いました。
参考になりました。 0人

★4  新しい世界にいっぽ踏み出す子どもたちへ 投稿日:2011/02/21
みのきっちゃん。さん 40代・ママ・群馬県  女の子15歳、女の子12歳、女の子9歳
ピンクのれいぞうこ
ピンクのれいぞうこ 作・絵: ティム・イーガン
訳: まえざわ あきえ

出版社: ひさかたチャイルド
小学校高学年のクラスで読みました。
静かに落ち着いて聞いてくれました。
捨てられていた冷蔵庫の中に様々なプレゼントが見つかるところでは、
『え〜?スゴイ』とつぶやく声が聞こえることも。

大人でもそうかもしれませんが、
新しい世界に一歩を踏み込むエネルギーが不足しがちだと
現状に流されてしまって、
なんとなくの生活を続けてしまったり…。

《新しいことにもどんどん挑戦してみよう》

…作者のメッセージが伝わるといいなと思いながら読みました。
子どもたちの未来には(もちろん大人にも!)
限りない可能性があるのですよね。
ドキドキとワクワクを持って、
まだ知らぬ世界に羽ばたいてほしいというエールを
この絵本が代弁してくれたでしょうか。
参考になりました。 2人

★4  子どもたちも小さな兵隊だった 投稿日:2011/02/16
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子14歳
せんそうってなんだったの?4学校
せんそうってなんだったの?4学校 監修: 田代 脩
出版社: Gakken
戦争体験者の語りを絵本で紹介しているシリーズの第4巻です。
この巻は戦時中の小学校(当時は国民学校)がどうだったか、都会からは疎開があったことを伝えています。題材としては特異性がないだけに、今まで読んだ中で少しインパクトは弱いのですが、体験者の肉声から語られているので意味深いと思います。作品外にある当時の学校生活、疎開の状況に意味を感じました。
2編の話が載っています。

第1話
「みんな小さなへいたいさん」 山本省三:文 / 田沢春美:絵 
 愛知県岡崎市の国民学校の生活が描かれています。
 大きなドラマはないけれど、山本省三さんが子ども目線で書き綴っているのが印象的。いろいろなことがあって大変だったこと、やっぱり平和がいいと思わせるお話です。当時の先生たちが語っています。

第2話
「ぼう空ごうコンサート」 井上こみち:文 / かべやふよう:絵
 東京からおばあちゃんの住む地方に疎開した兄弟の思い出話です。多くのいとこに囲まれた生活、村の子どもたちとの生活、苦労話とともに当時がのびのびと書かれています。
 中でも、一緒だったいとこの最年長のお兄ちゃんが音楽好きで、防空壕の中にオルガンを持ちこんで聞かせてくれた自作曲の音楽が印象に残っています。
そして、敵機が飛び交う空で日本機が体当たりして歓声を上げる上げる子どもたちと手を合わせるおばあさん(空の上で一人の日本兵が死ぬところを見たわけですから)。
思い出すといろいろなことが語られるのでしょう。

余談ですが、この絵本シリーズの文章、絵の作者は表には出ないのですが、それぞれの絵本ナビでの作品を確認すると、それぞれ自分の作風の中で戦争を語っていることが感じられ、作家を追いかける上で貴重かと思いました。
参考になりました。 0人

★5  そりゃ、極端な話だわ! 投稿日:2011/02/18
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子12歳
ほんをよめばなんでもできる
ほんをよめばなんでもできる 作: ジュディ・シエラ
絵: マーク・ブラウン
訳: 三辺 律子

出版社: らんか社
 タイトルを見て、「そりゃ、極端な話だわ!」と一人で突っ込みを入れてしまいました。

 主人公のサムくんの並外れた能力に初めはクスリと笑っていられましたが、もう少しで4歳という年頃で医学者を読み、自分の奇病を解決してしまうあたりで大笑い。

 息子は、自転車レースでの勝利も読書で勝ち取る場面でひっくり返っていました。

 終盤のグルンダルーン退治は、小さいお子さんにうけそうですよ。

 お話の極端さと絵のダイナミックさがこの作品の魅力でしょうね。

 それにしても、作中に「はらぺこあおむし」等と一緒に、ご自分の作品「ツチブタのアーサー」を登場させているブラウンさんの遊び心がにくいですねぇ〜。
参考になりました。 0人

★3  愛情って何だろう 投稿日:2011/02/17
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子14歳
ヘルガの持参金 トロールの愛のものがたり
ヘルガの持参金 トロールの愛のものがたり 作: トミー・デ・パオラ
絵: ゆあさ ふみえ

出版社: ほるぷ出版
トロールのラースはヘルガに愛を告白するのですが、ヘルガには持参金がありません。
持参金がないと結婚できないというのは何故だかわかりませんが、トロールの世界では当たり前のことなのです。
ラースはスヴェンじいさんに相談しますが、スヴェンじいさんは娘のインジを薦めます。
ラースはそれほどにいい男なのだろうか?
それにしても、ラースのヘルガに対する愛情はどこに行ったのかインジに乗り換えます。
こんなんでいいのか!
ヘルガは持参金を稼ぐためにあれこれと働くのですが…。
結婚って何なの?
ヘルガの努力実って、ヘルガを認めた王様のお妃さまになりました…、めでたしめでたし…?
あまりめでたくないと思う。

この本変です。
って考えるのは考えすぎでしょうか?
愛はもっと純粋だって子どもに伝えたいのですが、それほど単純じゃないって我が身を振り返りました。
この手は苦手です。
参考になりました。 0人

★5  自分が見つかるかも… 投稿日:2011/02/18
えるるうちゃさん 40代・ママ・千葉県  女の子9歳、男の子0歳
新装 ぼくを探しに
新装 ぼくを探しに 作・絵: シェル・シルヴァスタイン
訳: 倉橋 由美子

出版社: 講談社
この「ぼく」のように、かけら探し(欠点を埋める)の旅をしている人は世の中に大勢いることでしょう。完璧になることが、本当にいいことなのか、「自分は自分らしく」生きてもいいのではないか、と考えさせられました。シンプルな絵と話の中に、哲学的とも言えるメッセージが込められており、中学生くらいになったらぜひ一度読んでもらいたい本です。大人になっても忘れない強烈な印象を残すような本です。英語版は手に入るなら、ぜひ読んでほしいです。
参考になりました。 0人

★5  「アメリカの息子」リチャード・ライト自伝 投稿日:2011/02/16
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子12歳
ぼくの図書館カード
ぼくの図書館カード 文: ウイリアム・ミラー
絵: グレゴリー・クリスティー
訳: 斉藤 規

出版社: 新日本出版社
 タイトルと表紙絵から、新日本出版社さんの作品かなと思い手に取り、やっぱりでした。

 アメリカにおける人種差別問題を扱った作品は、絵本の世界でも多いですね。
 私たち親子が読んだものを物語の舞台となった時代から、時系列で並べてみると
 
 1850年代 「ぬすみ聞き」(光村教育図書)
 1860年代 「彼の手は語りつぐ」(あすなろ書房)
         「ぼくが一番望むこと」(新日本出版社)
 1920年代 「ぼくの図書館カード」(新日本出版社)
 1950年代 「わたしのとくべつな場所」(新日本出版社)
         「ローザ」(光村教育図書)
 現代     「ママ、お話読んで」 (新日本出版社)

 あとは今思い出せません。

 さて、この作品も人種差別と図書館のお話でした。
 人生における「出会い」が、いかに貴重なものであるかとあらためて知らされます。
 そして、初めに自分で踏み出す一歩、「行動力」が、人生を変えていく事になることも。
 主人公に差し出してくれたフォークさんの図書館カードは、後の主人公の人生を作ってくれたのです。
 活字を前にして、むさぼるように読書に耽溺する様子に涙が出てしまいます。

 読後、〈あとがき〉を読み衝撃でした。
 「アメリカの息子」(1940年)の著者リチャード・ライトさんの自伝の一部を抜粋して絵本の形にしたものだそうです。

 「アメリカの息子」を読んだのは、もう30年も前の事です。
 人種差別に真っ向から取り組んだ、この黒人文学は、アメリカ文学の中で始めて正当な位置を与えられ、現代の自由と平等のアメリカの礎となった作品です。 
 1960年代後半のアメリカを揺るがせたブラックパワーの運動家たちに大きな影響を与えた作品でもあります。
 
 息子に「アメリカの息子」をいつか渡してやりたいと思います。
参考になりました。 1人

★5  大人の絵本 投稿日:2011/02/18
えるるうちゃさん 40代・ママ・千葉県  女の子9歳、男の子0歳
ビッグ・オーとの出会い
ビッグ・オーとの出会い 作・絵: シェル・シルヴァスタイン
訳: 倉橋 由美子

出版社: 講談社
自分用に買いました。いたってシンプルな絵と物語というほどでもない簡単なお話。でも作者のメッセージが心にじわ〜っとしみ込んできます。時々、読みたくなるお気に入りの絵本の中の一冊です。中学生以上でないと、この本でいろいろ感じることは難しいかもしれません。試しに小学3年生の子供に読んだところ、絵はかわいいと言っていましたが、反応はいまいち。ちなみに私が持っているのは英語版。英語版が手に入るなら、中学生には英語の勉強としても、ぜひお勧めしたいです。
参考になりました。 0人

★4  モーパーゴのキリスト生誕物語 投稿日:2011/02/12
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子14歳
天使のつばさに乗って
天使のつばさに乗って 作: マイケル・モーパーゴ
絵: クェンティン・ブレイク
訳: 佐藤 見果夢

出版社: 評論社
キリスト生誕に立ち会った羊飼いの話。
クリスチャンではないけれど、モーパーゴなりの親しみやすい語り口で楽しめるお話です。
羊飼いたちの焚火の火の子から姿を現した大天使のガブリエル。
ガブリエルに誘われて生まれたての救世主を祝いに行く父や兄たちと、羊の番をするために残された自分でしたが、天使のつばさに乗ってお祝いに行けたのは自分でした。
身近な語り口調なので最初はキリスト物語と結びつきませんでした。
天使のつばさに乗った冒険話として楽しめます。
参考になりました。 0人

★3  かわいいお家なんだけど 投稿日:2011/02/17
たれ耳ウサギさん 40代・ママ・群馬県  女の子20歳、女の子17歳、女の子16歳
イエコさん
イエコさん 作: 角野 栄子
絵: ユリア・ヴォリ

出版社: ブロンズ新社
森のそばの古い家。名前はイエコさん。
前の住人はひっこしてしまい、今は誰も住む人がいません。
ところがところが、イエコさん、目を開き隠していた手足を伸ばし、
「ひとりぼっちでも たのしくくらすわ」と立ち上がりました。

何匹もの動物たちが訪れましたが、ここに住みたいというと、
「とっとと おかえり」とつれない返事。
それを聞いた動物たちは「ふん ひとりぼっちで さみしいくせに」
そのとたん、イエコさんは手をのばし ぱくり ぺろり とかたっぱし
から訪問者を飲み込んでいきます。

題名もインパクトがあるし、角野栄子の文にユリア・ヴォリの絵って
すごいタッグ。
表紙のお家はやはり北欧風でチャーミング!!

と思って手にして見ましたが、正直途中まで怖いです。
高飛車な物言いと何のためらいもなく、丸呑みしていくその姿。
その後は何もなかったかのように

       エクササイズエクササイズ

突然笑顔の動物たちがあらわれますが、ぱくりぺろりの迫力に私には
最後までイエコさんがやさしそうには見えなくて、あれっこのまま
終わるの…

期待が大きかっただけに少し肩透かしを食らった感がありました。
たしかに「やさしいのが こわいのさ。 こわいのが やさしいのさ」
というせりふがありますが、小さな子供たちはどう感じるのかな。

ある意味忘れられない一冊にはなりそうです。
さすがユリア・ヴォリです。
参考になりました。 0人

★5  口蹄疫の地獄 投稿日:2011/02/14
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子14歳
忘れないよリトル・ジョッシュ
忘れないよリトル・ジョッシュ 作: マイケル・モーパーゴ
絵: 牧野 鈴子
訳: 渋谷 弘子

出版社: 文研出版
原作が出されたのは2001年ですが、口蹄疫に見舞われた農場の話はあまりにも今日の日本が脅かされている問題と近すぎて、その恐ろしさと口蹄疫に家畜を失わなければならない農場の苦しみが痛いほど実感される物語です。
口蹄疫、鳥インフルエンザ。
その感染は防ぎようのない、見えない悪魔のようです。
農場の娘ベッキーは、生まれた子ヒツジにリトル・ジョッシュと名前をつけ、とても可愛がっていました。
イギリスの遠い地に口蹄疫が出て、不安におののく両親。
危惧していた感染が現実のものとなったとき、家庭はパニックに襲われます。
自分が口蹄疫を持ちこんだと罪悪感に打ちのめされるベッキー。
気丈に家畜たちを頬むった後、父親は心を壊してしまいます。
口蹄疫、うつ病、フィクションではあるけれど、他人事に思えない問題を鋭く描いています。
モーパーゴが実体験した口蹄疫を題材にしているからでしょうか。
フィクションでありながらとても生々しいので、とても怖い話でもあります。
目に見えない悪魔に脅かされている現代社会。
多分、口蹄疫被害にあった農家にあっては祈るしかないのでしょうが、ただ消費者としての問題意識ではなく社会問題として意識しなければいけないと思いますし、子どもたちとともに意識するためには解説書より、このようなフィクションがとても重要だと思います。

モーパーゴは、この悲惨な話をこれからへの希望で締めくくっています。
灯りの見えない物語では、子どもたちにとってつらいだけです。
参考になりました。 2人

★5  平仮名のパワーを感じますねぇ〜(笑) 投稿日:2011/02/16
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子12歳
へいきへいき
へいきへいき 作: 内田 麟太郎
絵: 竹内 通雅

出版社: 講談社
 タイトルと表紙絵の鼻息も荒そうなオオカミの様子から、オオカミ一暴れっていうお話かと思いました。
 が、なななんと、だじゃれのオンパレードに爆笑です。
 
 恐ろしい「き」が生えている山へ臆病なイタチと入って行って、怖いものなしの自分を山に思い知らせようと勇んで進むオオカミ。

 次々に出てくる「き」。
 平仮名のパワーを感じますねぇ〜(笑)。
 「木」じゃ、ちょっと苦しいページもありますものね。

 私は「しょうかき」、息子は「かたき」でおおうけでした。

 ラストはやっぱり子供たちの大好きなあの「き」ですよね。
参考になりました。 0人

★5  奥さんの目に涙 投稿日:2011/02/13
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子14歳
お母さん、ひらけゴマ!
お母さん、ひらけゴマ! 作: 西本 鶏介
絵: 狩野 富貴子

出版社: ポプラ社
戦中戦後とたどる母と子の歴史です。
読み聞かせをする者にとっても、とても大切な何かを残してくれる作品です。

戦争中の厳しい生活の中、軍人である父親は戦地に行って戻ってこなかった。
そんな中でいろいろなお話をしてくれた母親。
それを楽しみにしていた兄弟。
お話は生活の糧だったのでしょう。
戦争中に「アリババと40人のとうぞく」の話をしてくれたお母さんは子どもに希望を与えてくれました。
「ひらけゴマ!」が自分の心の宝物になり、お母さんと自分の合言葉になりました。

話は変わって戦争も遠い昔となり、その頃の子どもはおじいさんになりました。
母親も介護を受ける身となり、人の話もわからなくなりました。
弟夫婦に任せている母を訪ね、おむつの取り換えなどは息子にとって身につまされるような状況でしょう。
いつか、自分も母親の枯れていく様を受け入れなければならない。

何もわからない母が「ひらけゴマ!」に反応しました。
合言葉だった「おかえりなさいませ」。
物事が判らなくなっても心に残る言葉があったことが涙腺を熱くしました。

奥さんは自分に母親を重ねたのでしょうか。
それともふれあう老人たちを思い描いたのでしょうか。
私が読み終えた後、顔を上げると大粒の涙を流していました。
参考になりました。 1人

★5  淡くて底深い物語 投稿日:2011/02/12
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子14歳
チロヌップのきつね
チロヌップのきつね 文・絵: たかはし ひろゆき
出版社: 金の星社
戦争中の千島列島の無人島が舞台となっています。

その中でキツネの親子の物語としてみれば、家族愛の話なのでしょう。
子どもを守ろうとして銃に向かっていく父親ギツネ。
罠にかかって動けないちびこギツネに餌を運び続ける、自らも傷を負った母ギツネ。
何年かのちに、島を訪れた老夫婦の見たものは息絶えたキツネの後に咲くキツネザクラ。
そして、2匹の姿はない。
とても思いのある家族愛の物語です。

中心にいるのはキツネですが、もう一つの主人公はこの島を訪れて漁を続ける老夫婦。
一年の決まった時期に島に滞在してさかなや海藻を収穫して、冬になると本島に戻っていく暮らしをしているのです。
二人にとって大事な生活の場ですが、戦争のために行くことができなくなってしまった場所。
小さな島でありながら戦場であったのです。
島にある娘地蔵が、過去に住んでいた人の生活の名残りとさびれてしまった島を象徴しています。
戦争のために行くことのできない島というのは二人にとってどんな場所だったのでしょうか。
現在は日本人の立ち入ることのできる場所なのでしょうか。

そして、背景にあるのは戦争です。
このお話の中では、背景に徹しているのですが、とても重く感じました。
老夫婦がいるときに姿を現したのは日本軍でしょうが、戦争のさなかにこの島に入ったのは日本軍だけではなくソ連軍もいたのでは。

この絵本の舞台は北方領土地域でしょうか?
島に残るお地蔵さんだけが知っているのでしょうか。
複雑な思いで読み終えました。
参考になりました。 1人

★5  家族をうしなうこと 投稿日:2011/02/07
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子14歳
せんそうってなんだったの?3家族
せんそうってなんだったの?3家族 監修: 田代 脩
出版社: Gakken
戦争体験者の語りを絵本で紹介しているシリーズの第3巻です。
この巻は戦争に振り回される家族のことが描かれています。そして、家族の一員である愛犬についても同様だったことが書かれています。
2編の話が載っています。


第1話
「ひまわりは今も」 西川夏代:文 / 尾崎曜子:絵 
 4人兄弟の3番目で次女の私。姉が嫁ぎ、兄は徴兵で戦争に。自分は家業の農業を継ぐからと、兄に言われて学校に行かせてもらった私も軍需工場にかりだされます。
 戦争に行く兄から「家を守ってっくれ」と言われた私はの遺志を継ぐことになります。
 戦死した兄が戦地から送っていた10粒ほどのヒマワリの種。
 なぜヒマワリの種なのかは解らないけれど、その種が今もヒマワリを咲かせています。
 戦争で家族を失うことほど悲しいことはありませんが、残された者はその戦争をずっと引きずっているのですね。
 家督を継いだ坂本さんにとって、人生に曇りがないことを祈りました。

第2話
「クロをつれていかないで」 井上こみち:文 / あいのやゆき:絵
 愛犬のクロが「戦争に必要なので差し出すように」と徴用されていきます。犬にとって戦争などという意識はありません。連れて行かれる道々はしゃぎ回ったり、匂い付けをしたり…。
 最近軍事犬のドラマを見て、犬も軍事用に使われたという事実を知りましたが、誰にとっても戦争は悲惨だと再認識しました。
 井上こみちさんには戦争と犬を題材にしたお話が他にもあり、動物に対する愛情たっぷりのお話になっています。
参考になりました。 0人

★4  思春期の少女たちの想いが 投稿日:2011/02/08
てんぐざるさん 40代・ママ・埼玉県  女の子15歳、女の子10歳
反撃
反撃 作・絵: 草野たき
出版社: ポプラ社
上の子の朝読用に探してきました。
ページを開くと、いきなりインパクトのある文章で始まります。

「ああ、すっきりした。」って。
いったい何が?
読者を引き込む始まり方だな〜と、思いました。
この作品は5つの短編からできていますが、それぞれの話が少し続関連性を持っています。
中学生から高校生くらいの少女たちの、うちなる想いがたくさん見えて、私が読んでも面白かったです。

「神様の祝福」の主人公:真奈美は、個人的に友達にはなりたくない、かなり自分本位の少女です。
個人的に、お話も登場人物も一番惹きつけられたのは、2番目のお話「ヒーロー」でした。
主人公の里美も、好感が持てるし、里美のボーイフレンド稲葉君もいい子だな〜、と思いました。
そして、「野田先生の面白いもの」の出来事は、良くも悪くもすごく心に残りました。
親子でこういう話を読んで、物語の中のことを語り合うのも、いいかも。と、思いました。
参考になりました。 0人

★5  ものぐさって? 投稿日:2011/02/14
おるがんさん 40代・ママ・高知県  女の子、男の子
ものぐさトミー
ものぐさトミー 作・絵: ペーン・デュボア
訳: 松岡 享子

出版社: 岩波書店
二年続けて6年生に読み聞かせをしました。
中学受験を控えている子どももいるので、明るく笑ってもらいたいからです。

小さな本なので、クラスの読み聞かせには向かないのかもしれませんが、いつもはなかなか表情に出してくれない高学年が、
この本には声を出して笑ってくれました。

この本の面白さは、4年生くらいからのほうが楽しめるようです。
質の良い笑いだから、安心して読めます。

訳も面白くて、「ものぐさ」を知らない子どもたちも、主人公の名前を読むと分かってくれます。
面白さを強調しようとせずに、淡々と読むとより子どもたちに笑いがおきました。
参考になりました。 0人

※参考になりましたボタンのご利用にはユーザー登録が必要です。

6652件見つかりました


編集長・磯崎が新作絵本を推薦!【NEXTプラチナブック】

出版社おすすめ

  • ねこはるすばん
    ねこはるすばん
    出版社:ほるぷ出版 ほるぷ出版の特集ページがあります!
    にんげん、でかけていった。ねこは、るすばん。とおもったら、? 留守番の間に、こっそり猫の街にでかけて

全ページためしよみ
年齢別絵本セット