文句のつけどころがない完成品
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投稿日:2011/01/14 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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話を読んでうなり、絵を見てうなり、エピソードを知ってうなり…、この話に関わる物すべてが付け入る隙なく、私を圧倒する作品です。
話:
家のない老人と犬の出会い。犬は魔法使いで、老人の望みをかなえようと話すのだけど、老人の答えが素晴らしい。
物欲から離れた浄化された心とでもいうのでしょうか、誰にでもいえることではないのでそれだけで感銘しました。
さらに、犬は自分が魔法使いであることを捨てて犬になりきる。
これ以上の友情はないでしょう。
究極の愛だと思いました。
絵:
色鉛筆で一見雑に描かれたような絵。
しかし、この絵が話の情景にピタリとはまっているのです。
吹雪の情景、老人の心象風景、老人と犬の心の交流…。
はっきりと表現するのではなく、色鉛筆の線で全てを表現した上で、情景や心を本に溶け込ませています。
究極の表現だと思いました。
エピソード:
実在したというモデルがいること、歌手のドミニク・マルシャンが20歳で物語を歌にしたこと、ドミニクが37歳の若さで亡くなったこと…。
そのどれもが、この話に神々しさを与えています。
20歳とは思えない感性で、ドミニクは早世したという事実からこの作品をとても高いところまで持ち上げてしまいました。
この崇高にして感動的な絵本は、どの年齢層からも受け入れられることと思います。
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ふんどしだ!いや、腹巻だ!としばらく激論
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投稿日:2011/01/13 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子12歳
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十二支に関するお話(絵本)はたくさんありますね。
我が家にも数冊ありますが、この作品は山本先生の絵ということで手が伸びました。
表紙絵の十二支の顔が京劇のお面のようで、ワクワクしながら開きました。
扉絵の神様の御殿にニヤリ。
雲海の上のありがた〜い世界を感じます。
さて、本文一見開き目の神様の登場に爆笑!
全体にダークグリーンが生かされた、昔々の雰囲気です。
こちらの作品もやはり「ねこ」がお話の中核をなしていますね。
このねこのはしゃぎ振りも愉快!愉快!
ほとんどの動物が衣をまとっているのも面白い。
それぞれの動物たちのパーソナリティが生かされたデフォルメ気味の表情が、迫力を感じさせつつ笑わせてくれます。
十二支の由来に関する絵本として、この作品を初めに目にしたお子さんは、相当強烈な印象を心に残す事でしょう。
私たち親子は、いのししのヒラヒラさせている布について、ふんどしだ!いや、腹巻だ!としばらく激論を交わしました。
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とにかくいい!
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投稿日:2011/01/11 |
さなみま母さんさん 40代・ママ・岐阜県 女の子15歳、女の子12歳、男の子9歳、男の子4歳
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年齢を問わず楽しめ、思わず顔がにんまりしてしまう絵本です。
まんじゅうの表情がとてもかわいくて、何度読んでも飽きません。
大切な友人のお子さんにも、プレゼントしました。
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おおっ!
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投稿日:2011/01/13 |
02さん 30代・ママ・岐阜県 男の子12歳、女の子11歳、男の子4歳
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少々荒れ気味の6年生のクラスで読み聞かせしてきました。
始まる前はざわざわと落ち着きの無かった子どもたち。
『がぶり』あたりで「えっ?」・・・
『がぶり、ごぶり、げぶり』でにやにや・・・
はまってるな、と内心くすりと笑いながら絵をしっかり見せて、たんたんと読みました。
結末に絶句して、教室はしばらくしーん。
先生が静かに「こわっ・・・」
ははっ!集中力残ってるじゃん!あなたたち。
ウィリアム・ビー先生、おそるべし。
相手を選んで選書されたほうがいいかもしれません。
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図書館が開いた特別の場所
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投稿日:2011/01/12 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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パトリシアが楽しみに出かける特別の場所は図書館でした。
何が特別なのか、何が彼女をうきうきさせるのかは後書きを読まないと判らないかもしれません。
なにしろ、私にとって図書館はあたりまえの場所なのですから。
それにしても、この話を通して1950年代の黒人の置かれていた状況を理解するには多少勉強しなければなりません。
差別という言葉の方が今の私たちにとって特別なのですから。
パトリシアは図書館にたどり着くまでに、様々な人種差別の壁にぶつかります。
それだけに、公共図書館が先んじて全ての人に平等であったということは自分にとって素晴らしいことです。
人を選別するようでは、「公共」ではないのですから。
多少、学習絵本のきらいがないわけではありませんが、対岸の火事のような扱いで読んではいけないなと思いました。
日本にだって差別はあったのですから。
図書館、本の果たす役割の視点から子どもに説明するのも良いかもと思いました。
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オールズバーグの魔術
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投稿日:2011/01/12 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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妹のトゥルーディーは兄のかけた催眠術にかかったのかかかったふりをしたのか、読む側もオールズバーグの魔術にかかってしまうお話です。
兄に遊んでもらいたいトゥルーディーと、悪戯好きの兄のカルヴィン。
誕生日のプレゼントで友だちと出かけた催眠術師のショーに影響されて、早速妹相手に試してみます。
かけられた催眠術でトゥルーディーは本当に犬になったのだろうか。
そうでなければ、犬の演技を続けたトゥルーディーはすごい役者です。
何度も繰り返し読んでみると、絵の向こうでオールズバーグがにやりと笑っているようです。
カルヴィンの誕生日はとんでもない日になってしまいましたが、読者としては面白味たっぷり。
表紙の絵が犬にはみえないだけに、ここからオールズバーグの魔術が始まっていたようです。
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果てしない時と絵のカラクリ
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投稿日:2011/01/10 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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一羽の鳥が大海原に飛び立った。
それがどれだけ繰り返されたのか。
海に落ちて一生を終えた鳥たちも満足だったという。
そして、果てしない繰り返しでできた「鳥の島」。
人類が生まれるまでの長い時間のような物語が、骨太に描かれています。
そして、息子に指摘されて唸ってしまいました。
川端さんは、中央の絵だけではなく、周りの模様にも実にきめの細かい細工を施しているのですね。
形、角度、そして中心の絵との融合。
紙粘土で作られた絵の立体感といい、絵が物語っている絵本でした。
壮大なドラマだけに、大きく響いてきます。
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翻訳比べ
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投稿日:2011/01/09 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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シルヴァスタインの名作『おおきな木』は息子の親として心に響く作品ですが、村上春樹さんの新訳を手にして、本田錦一郎さんの訳を読みなおすことにしました。
比べてみると村上さんの優しさきめの細かさが浮かび上がります。
子どもを思う親、子どものために身を削り、自分を与えそれでもしあわせだといえる、モチーフに違いはないのですが、本田さんの訳は朴訥で男性的。子どもを育てるのって大変だな〜と思ったものです。
村上さんの訳は滑らかでしっとりしています。
本田さんの訳に比べて大変そうな感じが少ない。
本田さんの木が父親ならば、村上さんの木は母親。
切られても子どもを支えているのに、苦しさは感じていないようにも思えました。
視点が本田さんの訳よりも至近距離にある感じ。
改めてこの作品の深みと、翻訳の深みを感じました。
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『へぇ〜、超長老だな〜』って読み進めたら
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投稿日:2011/01/10 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子12歳
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可愛いおさるさんが自転車に乗っている表紙絵に目が止まり手に取りました。
モンちゃんが、きこりんきこりん自転車をこいで、歌を歌いながら、おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんに会いに行くんだそうです。
『へぇ〜、超長老だな〜』って読み進めたら、せっかく悦に入っているモンちゃんに友達(動物)たちが「おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんなんて、いるもんか」「いないもーん」「おらへんで」
私もそういう気がして来たのですが、モンちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんに会えました。
な〜るほどそういうことかぁ〜!
「元気でなにより」っていう台詞も良いですね。
モンちゃんもこっそり木を植え、「ぼくのこどものこどもの・・・」の一言も素敵。
軽い気持ちで読んだのですが、深くて爽やかなメッセージのある作品でした。
読後、表紙絵を見直して、やっと気づきました。
村上康成先生の絵だったんですね。
モンちゃんが本当に可愛らしかったですよ。
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五味さん、エネルギッシュです
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投稿日:2011/01/09 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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前作の『ことわざ絵本』もすごかったのですが、続編は五味さんの苦労がにじみ出ている絵本です。
あらかた前作で出し切った力だと思いますが、ことわざは限りない。
Part2はもう一度ことわざを掘り起こしてまとめていますが、100ものことわざを解釈しアレンジするエネルギーは半端ではありません。
かなり無理を感じるところも見かけましたが、あらさがしはやめましょう。
とにかく楽しい絵本です。
さすがにPart3はでそうにないですね。
私にとっては癒しになりました。
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語り残されるべき戦争の話
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投稿日:2011/01/08 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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戦争体験者の話を絵本にしたシリーズの第2巻。
戦時中の遊びの紹介と2つのお話からなっています。
竹トンボお手玉など、まだ懐かしさを留めながら残されている遊びと、今の子どもには全く縁のない遊びが紹介されていました。
お話は次の2点です。
「あきらのとぶ空」 金治直美:文、篠塚三朗:絵
「宇宙戦艦ヤマト」の作者松本零士さんの話をベースにしています。戦闘機乗りにあこがれたきかんぼうのあつおでしたが、疎開先でも戦闘機の空襲を体験します。遊び友達の父親の戦死があって、終戦。
占領軍のアメリカ兵への屈辱感を感じるあつおに、無事に帰還した父親は悪いのは戦争だと諭します。
戦後にあふれる様々なものを吸収しながら、戦闘機乗りへのあこがれは宇宙への関心に高まります。
それが松本零士さんのマンガに生かされているのだと思うと興味深いお話でしたが、松本さんの少年時代に体験した戦争を知り、感無量。
子どもには説教口調になってしまいそうです。
「まうわうりの夏」 佐々木有子:文、夏目尚吾:絵
大和竹トンボ制作研究会メンバーの話がベースになっています。
戦争時代の苦労話や怖さの中で、のびのびとした少年の姿もあったのだという内容が、戦争を知らない世代、固定観念で捉えがちな自分には新鮮でした。
それでも戦争が終わり竹トンボを飛ばした空には敵機もなく、平和の素晴らしさが伝わってくるお話でした。
戦争体験者によって語り残されるものの重要さを感じさせられたシリーズの1冊でした。
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雪のくれたプレゼント
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投稿日:2011/01/07 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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誕生日には雪が降って欲しいと願ったスティーブでしたが、本当に雪が降ってしまったら友だちはバースデーパーティに来られません。
期待通りになって、雪合戦したり雪だるまを作っているうちは良かったのですが、落胆に変ってしまいました。
車が動かなくなってしまったため家に泊めてあげることになったクレイトンさんと娘のキャロル、雪のためにバースデーパーティに来られなくなったおじいちゃんとおばあさん。
希望を越えた大雪が予想できないプレゼントをくれました。
スティーブの希望、落胆、感動と心の動きがきらめくように展開されます。
「雪の天使」という象徴をポイントに残して、人情味と愛に包まれたとても感動的な本でした。
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誰が一番しあわせだろう
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投稿日:2011/01/04 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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『大どろぼうホッツェルンプロッツ』のプロイスラーと『リヤ王と白鳥になった子どもたち』のスピリンの作品。
『リヤ王と…』と同じように中世の伝承世界の重厚さを持っています。
3人の兄弟が、象牙でできた角と純金の蹄と宝石を額に輝かせたユニコーン(一角獣)を捉えに長い長い旅に出かけます。
途中で一番年上の兄は宿屋の娘と結婚して幸せになります。
二番目の兄は砂漠で見つけた金塊で家を買い大金持ちとして留まります。
末弟のハンスはさらに長い旅をつづけてユニコーンと巡り合います。
それからさらに長い年月が過ぎて、故郷に戻ったハンスは子どもたちにユニコーンの話を聞かせます。
子どもたちは森にまだユニコーンが暮らしていることを聞いてほっとします。
ハンスとユニコーンの生活はどんなだったのでしょうか?
すっかり年老いてしまったハンスですが、なぜかしあわせそうです。
この絵本には、悪やドキドキさせる闘いの要素はありません。
兄弟も仲が悪いのでもなく、それぞれに幸せに暮らし始めます。
ハンスがどうなのかが一番のポイントですが、後悔するような旅ではなかったようです。
ユニコーンとの対決を期待して読み始めると物足りないのですが、なぜかほっとさせるお話でした。
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スパイスのきいたお話でした
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投稿日:2011/01/05 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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自分の卵をだかせてもらえないのを不満に思っていたアヒルのジマイマ。
家から離れたところで卵をかえそうと考えました。
どこかとぼけたところのあるジマイマ。
見ている側からすると危険がいっぱいなのですが、キツネの言葉を信じて危うく食べられてしまう所でした。
番犬のケップの機転で救われるのですが、応援に来た猟犬の子犬たちに大事な卵は食べられてしまいました。
良かったといってよいのかどうかわからない展開にびっくり。
「ジマイマは卵を抱くのが下手なのですよ」という最後のコメントには唸ってしまいました。
純粋な子ども向けではないようです。
それでも、このような含みのある作品はいろいろな問題提起をしてくれて、子どもを成長させてくれる要素を備えているように思います。
高学年向けと思います。
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カフカの優しさ
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投稿日:2011/01/04 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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フランツ・カフカの晩年のエピソードを基にしている絵本です。
絵本を読みながらカフカの評伝を探して心熱くなってしまいました。
結核に苦しんだ晩年に人を思いやるエピソードが数多く残されています。
そんな中でこの話は、カフカがベルリンにいた時代のこと、公園で人形を失くして泣いている少女泣いている少女に「人形は旅行に出かけただけなんだよ」となぐさめ、ベルリンを去るまで毎日少女に人形からの手紙を書き続けたというエピソードに基づいています。
カフカはベルリンを去る際に少女に人形を渡し、「旅行している間に少し様変わりした人形だ」と伝えたそうです。
これが絵本の中ではリトルスターなのでしょうか。
カフカの優しさとウィットに富んだ行動にうっとりです。
絵本の中で少女の人形ロッティは世界各国を旅行してまわります。
カフカの手紙とは違うかもしれませんが、旅行先の風景ロッティが出会ったことなどが生き生きと描かれています。
最初読んだときには甘ったるさに少しひいてしまったのですが、カフカのことを調べでから読み直すととても深み味わいのある作品です。
絵本も印象に残りましたが、改めてフランツ・カフカのファンになりました。
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過ぎてしまった近未来
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投稿日:2011/01/04 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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ホーリー・エヴァンズの実験と、想定外の天変地異。
巨大な野菜が空を飛びまわりホーリーを喜ばせたけれど、ホーリーが実験に使っていない野菜までが現れて、ホーリーは考え込みます。
1999年と過ぎてしまった日付がタイトルになっていますが、原作が書かれたのは1992年。
ウィーズナーは近未来の物語として書いています。
「ありえない」という前に、1999年には想像もできなかったことが現実化されている現在、この絵本は近未来を想像して書いている所にとても意味があると思います。
過去のことだから安心して見られるのですが、2019年だったら笑っていられないかもしれません。
子どもたちに未来予想の世界を拡げるのに良い絵本だと思います。
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ラストのミルトンの可愛い一言にもクスリ
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投稿日:2011/01/04 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子12歳
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白黒ブチの猫のミルトンシリーズの一冊です。
朝、急いで屋根の上に駆け上がるミルトンくん。
なんで?と思ったらお隣の木の上に作られたカラスの巣。
中には可愛いひなが三羽。
見とれていると、カラスのママが帰ってきて仲間はずれ。
なるほど見た目は似ているように見えるのですが、ミルトンもガッカリして帰ろうとすると、パパガラスまで戻って来て、恐い目つき。
この後、ミルトンのカラスと自分の似ているところと違うところを分析し、表にして書かれているところで大笑い。
ラストのミルトンの可愛い一言にもクスリでした。
シンプルな白黒のみの作品ですが印象に残っている作品です。
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赤い靴の悪魔
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投稿日:2011/01/04 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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赤い靴がどうしていけないのだろう。
いわさきちひろさんの透明感のある絵は、カレンの純粋な心を表現しています。
しんせつな靴屋のおかみさんが作ってくれた赤い靴。
それを履いたのが、母親のお葬式だったというのがとても意味深いのです。
教会には赤い靴を履いていってはいけない。
いわれればその通りですが、カレンは赤い靴に魔法をかけられてしまいました。
それは、まるで覚せい剤のようにとても恐ろしい世界。
赤い靴に踊らされて、みなしごとなったカレンを育ててくれた恩人の奥さまを見殺しにしています。
悲しくてならないのに、カレンは魅せられたように踊り続けます。
そして自分を取り戻すために自分の足を切り落としてもらいます。
カレンにこれほどの罪を感じないのですが、教会の決まりごとを守らぬ恐ろしさなのでしょうか。
カレンは許されて天国に召されます。
それにしても後味の悪さを感じた絵本でした。
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山本先生のえが楽しみで・・・
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投稿日:2011/01/04 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子12歳
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「たぬきのおつきみ」・「ぬーくぬく」の山本先生の絵が楽しみで読みました。
おっかさんを恋しがる強面のえんまさんと、しなびた感じがとっても良い味を出している性悪ばあさんのキャラクターに爆笑です。
地獄の恐ろしさよりも、ばあさんの悪さの数々、海千山千口八丁手八丁のすさまじさのほうが恐かった(笑)。
えんまさんが記憶もない母に想いを重ね、ばあさんを地獄から出してやろうと苦慮する様子も笑えます。
とにかく、山本先生の絵が素晴らしい作品でした。
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ありそうでなさそうで、あぁフンケらしい…
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投稿日:2011/01/04 |
てんぐざるさん 40代・ママ・埼玉県 女の子15歳、女の子10歳
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実は、読んだといって、娘はちょっと流し読みだったそうで、もうひとつ好みじゃなかったというか、この本の厚さにヘキヘキして、じっくり読めなかったそうです。
さて、本書がどれだけ厚いか調べてみますと、表紙を入れて38mm(約4cm)ページ数は630ページでした。
読み始めるのに少々気合いがいるかもですね。
読み始めるとコレが面白くて!!
「ネバーエンディングストーリー」と、似ているところもありますが、その発想の面白さは、主人公の父がある本を読んでいたら、
その本の中の登場人物たちが、現実世界に飛び出してきてしまった。という、ある意味「ネバーエンディングストーリー」とは逆の発想のところ。
その本の登場人物たちは、主人公メギ―の父を「魔法舌」と読んで、それぞれの理由で追跡します。
本から半ば無理やり(呼んでしまった方も、呼ばれた方も、決して自分の意志からではなかったのですが)、
呼び出されてしまった彼らは数人いて、しかもそのうちのほとんどが、本の中で最も厄介な悪者だったので、
メギーと魔法舌はとんでもないトラブルに巻き込まれていきます。
この過程が、とてもフンケらしくて、ドキドキハラハラ、読みだしたら先が気になって仕方がなくなります。
ページ数の割に字の大きさや行間は狭すぎず、小さすぎず、目に優しい読みやすい大きさになっています。
紙質も優しいクリーム色で、手触りも、こうした不思議なパラレルワールドを語るにふさわしい感じのいい触感でした。
魔法がたくさん出てくるファンタジーが好きな方、フンケのストーリー性が好きな方、パラレルワールドに興味のある方。
中学生以上でしたら十分読めます。
ぜひ楽しんでほしい1冊です。
特にラストへの展開は寝食を忘れて読んでしまいますよ〜。
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