箱のなかにはいっているのは?!
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絵本紹介
2022.07.07
2022年7月の新刊&おすすめ絵本のテーマは「あつ〜い夏を楽しむ絵本」です。暑い日が続くと、体力も気力も落ちてしまいがちですが、周りを見渡してみると、青々とした野菜、ひんやりとしたアイス、生き生きと飛び回るカブトムシやトンボなど、夏を満喫しているものたちの姿を感じることができます。そんな生命力あふれるパワーを閉じ込めた、読めばパワーが沸いてくる、あつ〜い絵本を集めました。
出版社からの内容紹介
あっついあっつい日に食べたいのは……?ひんやりかきごおり!そのかきごおりを食べにきたのはだあれ?
リズムのよいことばとのびやかな絵で、よみきかせにもぴったりです。
この書籍を作った人
1953年愛媛県生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。3年間のフランス滞在を経て、絵本作家、翻訳家として活躍中。『なぞなぞのたび』(フレーベル館)でボローニャ児童図書展絵本賞、『あしたうちにねこがくるの』(講談社)で日本絵本賞、『あしたのあたしはあたらしいあたし』(理論社)で三越左千夫少年詩賞を受賞。訳書に『リサとガスパール』シリーズ(ブロンズ新社)他多数。
この書籍を作った人
1978年神奈川県生まれ。和光大学芸術学科日本画専攻卒業。現在は絵本や児童書を中心に活躍中。2002年、第3回ピンポイント絵本コンペ優秀賞受賞。『すみれおばあちゃんのひみつ』『おじいさんのいえ』(偕成社)、『ぶんぶくちゃがま』(文・富安陽子/小学館)など。おたんじょう月は10月。
みどころ
その手足は健康的に日焼けをし、青々とした身体にふさふさのひげ。あぐらをかいて、まっすぐにこちらを見る彼の名前は「とうもろこしぬぐぞう」。なんて堂々した名前なのでしょう。今から彼がすることといえば、もちろん。
「いくぞ!」
さあ、はじまりました。ばりばり、べりべり、ぺりぺりときて、べろーん。それは見事なぬぎっぷり。黄色に輝くつやつやの粒も見えてきましたよ。ついでにふわふわのひげも……。
そうなのです。この絵本は、とうもろこしが自ら、ただひたすらにその葉っぱをぬいでいくお話。どうでしょう、この気持ちよさ。ぬぐぞうさんにつられて、みんなが嬉しくなってしまいます。力強い墨の線と、愛嬌のある表情。そして、どこか懐かしい雰囲気を漂わせながら、きっと彼は、あっという間に子どもたちの人気者になってしまうのでしょうね。
ああ、とうもろこしにかぶりつきたくなってきましたよ。作者はらしままみさんの絵本デビュー作です。
この書籍を作った人
1983年東京都生まれ。明治大学商学部商学科卒。電機メーカー勤務。「パレットクラブスクール」絵本コース、「キルタースペース絵本勉強会」、絵本ワークショップの「チャブックス」に参加し、絵本創作に取り組む。本書がデビュー作。
出版社からの内容紹介
ジョーくんの頭の中はアイスクリームでいっぱい。
何をしていてもアイスに結び付けてしまいます。
おじいちゃんからどんな夏休みを過ごしているかと聞かれて、教えてあげたことは…!?
いろんな味のアイスで新しい言葉をおぼえたり、
家族が食べたアイスの数で、計算の練習だってしてしまうジョーくんは、アイスの歴史にも興味津々。
いつごろ、どんなふうに作られたんだろう。
アイス好きの大統領がいるなんて、ぼくと気が合うなあ!
ジョーくんの好奇心はとどまるところを知りません。
もちろん「大好きなアイスでひと休み」も忘れませんけどね。
ココロもアタマも大満足の楽しいおはなしです。
*漢字に総ルビ
この書籍を作った人
1949年、旧チェコスロバキアのブルノ生まれ。プラハの美術工芸学校とロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学び、1982年アメリカに移住。以来、新聞、雑誌、書籍の他にアニメーション映画の分野で幅広く活躍している。氏の制作による2本のアニメーションは、西ベルリン映画祭で金熊賞を、トロント映画祭でグランプリを、ロサンジェルスの映画祭で金鷲賞を受賞している。また、本の分野ではニュ−ヨーク・タイムズ紙が選ぶ年間ベストテンや、パブリッシャーズ・ウィークリーのベストセラーリストに何度も名を連ね、絵本『星の使者』(徳間書店)で、アメリカの優れた絵本に与えられるコールデコット賞推薦を受けた。日本では他に、『三つの金の鍵』『マドレンカ』(BL出版)などが紹介されている。『生命の樹』(徳間書店)では、2004年にイタリアのボローニャ国際児童図書展ノンフィクション大賞を受賞の他、数々の賞を受賞。現在はニューヨークに家族とともに住んでいる。
みどころ
明るい子にも、おとなしい子にも。友達がたくさんいる子にも、ひとりぼっちが多い子にも。どんな子にだって、必ずぴったりとついてくる人がいるんです。それが「かげぼうし」。
梅雨が明けて、太陽がかっと照り付けている今日みたいな日は、特に「かげぼうし」はくっきりと見えます。
元気過ぎる男の子リョウくんは、もう、我慢できなくなって外へ飛び出します。それはもう走ったり、飛び跳ねたり。素晴らしいお天気ですからね。
……すると、あれ、あれれ?
いるはずの「かけぼうし」が見当たりません。
あまりの暑さと、リョウくんの落ち着きのなさに、どうやら遅れをとっているみたい。
ぜいぜいしながら言います。
「おおい、リョウ。ちょっとまっておくれよ」
そこからリョウとかげぼうしの奇妙なやり取りがはじまります。
一心同体だったはずの自分のかげぼうしが、自由奔放にふるまいだしたのです。
そりゃあ、海へ落されたり、物干し竿に干されたり、
ジュースをこぼされたりしたらね。
かげぼうしだって、意思を持つ日があるのかもしれません。
『ぽたぽた』(理論社刊)所収の三木卓さんの「ジュース」を新たに絵本化したこの作品。切れ味の良い文体からは、三木さんの言う「かげぼうしのことなんか忘れてしまうほどの元気な子」の魅力が伝わってきますし、何と言っても杉浦範茂さんの描くリョウのユニークなこと!! 落ち着きがなく、片時もじっとしてない様子や、口をかっと開けて叫ぶ様子や、かみあってないかげぼうしとのやり取りを斬新な表現方法で描き出し、どの場面も少しも飽きることなく楽しませてくれます。
絵本のそでに書かれている三木さんの言葉どおり、子どもたちは生き生きと「かげぼうしを困らせながら」夏を過ごし、少しずつ大人になっていくのかもしれませんね。素敵な夏の物語です。
この書籍を作った人
東京都生まれ。詩集『わがキディ・ランド』で高見順賞、『鶸』で芥川賞、童話『ぽたぽた』で野間児童文芸賞、『イヌのヒロシ』で路傍の石文学賞、評伝『北原白秋』で毎日芸術賞など受賞。他の児童向けの本に『おおやさんはねこ』『星のカンタータ』『ほろびた国の旅』『イトウくん』など、翻訳にアーノルド・ローベル『ふたりはいっしょ』などがある。
この書籍を作った人
1931年愛知県生まれ。東京藝術大学美術学部卒業。イラストレーター、グラフィックデザイナー。1961年、毎日広告総理大臣賞受賞。1979年『ふるやのもり』(フレーベル館)で小学館絵画賞。1983年『まつげの海のひこうせん』(偕成社)で絵本にっぽん大賞、ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞。1985年、芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。主な作品に「ルドルフとイッパイアッテナ」シリーズ(講談社)、『サンタクロースってほんとにいるの?』(福音館書店)、『むしのうた』(講談社)、『ジュース』(鈴木出版)、『海をかっとばせ』(偕成社)などがある。
出版社からの内容紹介
きょうから学校は、ながーい夏休み。
さっそくワニくん、ずっと前から考えていた船をつくって川にうかべてみました。
お絵かきしたり、魚つりしたり、のーんびりすごそうと思っていたワニくんですが……
この書籍を作った人
1951年奈良県生まれ。北海道教育大学特設美術課卒業。「ワニくんのおおきなあし」で第1回ニッサン童話と絵本のグランプリ絵本大賞を受賞。「ワニくんシリーズ」、「ずぶろく園」(BL出版)、「ゆっくりむし」(ひかりのくに)、「おくりのもの」(クレヨンハウス)などの作品がある。
出版社からの内容紹介
海辺にある、船のかたちをしたすてきな家に、働き者のねこの3兄弟が住んでいました。名前は上から、「いちくん」「にいくん」「さんちゃん」。ある晴れた日、3匹は釣りにでかけました。
この書籍を作った人
作家。1935年札幌生まれ。東京都立高等保母学院卒業後、「みどり保育園」の主任保母になる。72年まで17年間勤めた。62年に出版した『いやいやえん』で厚生大臣賞、NHK児童文学奨励賞、サンケイ児童出版文化賞、野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞。翌年『ぐりとぐら』刊行。『子犬のロクがやってきた』で毎日出版文化賞受賞。主な著書に絵本『ぐりとぐら』シリーズ、『そらいろのたね』『ももいろのきりん』、童話『かえるのエルタ』、エッセイ『絵本と私』『本・子ども・絵本』。映画「となりのトトロ」の楽曲「さんぽ」の作詞でも知られる。2013年菊池寛賞受賞。『ぐりとぐら』は現在まで10カ国語に翻訳されている。
この書籍を作った人
1941年東京生まれ。上智大学フランス語科卒業。旧姓大村百合子。高校三年の時より童話の挿絵や絵本の仕事を多くてがけ、明るく楽しい絵で子どもたちの心を魅了している。主な作品に、実姉中川李枝子氏とのコンビで「いやいやえん」「かえるのエルタ」「おひさまはらっぱ」「ぐりとぐら」シリーズ、「なぞなぞえほん」「くまさん くまさん」、自作絵本に「そらをとんだけいこのあやとり」「やまわきゆりこのあかちゃん日記」「やまわきゆりこのデイブック」などがある。
みどころ
「ジリリリーン リリリリーン」
地中で暮らすせみくんの家の電話が鳴り、せみくんは答えます。
「ええ そうです、いよいよ こんやです」
いったい何が起こるのでしょう。その一報はあっという間に地上の仲間たちに広がっていき、準備が始まります。ミツバチくんたちは甘い蜜を集め、アオムシちゃんたちはサラダを作り、カブトムシは準備運動をし、スズムシさんたちは演奏の練習をします。
その頃セミくんは、ひとり起き上がり、慣れ親しんだ部屋に別れを告げ、はしごを登り、地面へ顔を出し。さらに大きな木の幹を伝って……。
セミくんにとっての「いよいよ」は、もちろん「その瞬間」です。知らなかった子は驚き、知っている子が見ても息を飲んでしまうその出来事。なんて神秘的なのでしょう。そして、セミくんの嬉しそうなこと! さあ、みんなでお祝いです。
地中でのセミくんの暮らし、やがて旅立つ時のその心境、まわりの仲間たちの受け止め方。工藤ノリコさんが描く魅力的な絵を見ているだけで、想像はどこまでも広がっていきます。壮大なのに、どこまでも愛らしく、コケティッシュ。生きるって素晴らしいな。ミーンミーンと元気に鳴くセミくんを見ながら、改めて思うのです。
この書籍を作った人
1970年、横浜市生まれ。女子美術短期大学卒業。絵本作家、漫画家。絵本に『センシュちゃんとウオットちゃん』(小学館)『セミくん いよいよ こんやです』(教育画劇)『寿限無』(ほるぷ出版)『フローリアとおじさん』(白泉社)『ペンギンきょうだい れっしゃのたび』(ブロンズ新社)『ピヨピヨ スーパーマーケット』『ピヨピヨ メリークリスマス』『ピヨピヨ もりのゆうえんち』(佼成出版社)、読み物に『letters レターズ』(偕成社)『マルガリータとかいぞく船』(あかね書房)、マンガに『さすらいの就職犬!ワンワンちゃん』(白泉社)など多数。
出版社からの内容紹介
夏のひざしがさしこむ池の中。
たまごからうまれたばかりのヤゴが、ふわりふわり。
「はじめまして! わたし、ぎんちゃん。おおきくなったら とんぼに なるよ!」
ぎんちゃんは何度も脱皮しながら、どんどん大きくなります。
じまんは、強いあご。
たたんでいたあごをすばやくのばして、めだかをつかまえました。
そして、冬を越したぎんちゃんは、とうとう羽化のときを迎え、
とぶのが上手なギンヤンマになります……。
いろいろな姿のヤゴがいるんだ!
おなかが銀色に輝いているから「ギンヤンマ」っていうんだ!
ギンヤンマはたまごをうむ前、オスとメスがつながってとぶんだ!
ぎんちゃんがたまごをうむまでのいのちの物語の中に、
生き物のふしぎやおもしろさがたくさんつまっています。
水の中から外へ、いきいきとした絵の変化も楽しい一冊です。
この書籍を作った人
この書籍を作った人
1986年東京都生まれ。和光大学表現学部芸術学科卒業。2007年に長野で牛にかこまれたときの衝撃から、生き物と目があった瞬間の「見たら見られた」をテーマに木版画を制作している。個展、グループ展での発表も多数。2017年『マンボウひまな日』(絵本館)で絵本作家デビュー。主な作品に『みたらみられた』(アリス館)、『あめちゃん』『きょうは泣き虫』(以上、好学社)、『うみのあじ』(あかね書房)、『だんだん だんだん』(ひさかたチャイルド)がある。
出版社からの内容紹介
おにいちゃんと、大きなカブトムシをつかまえた。名前は、キングとジャンボ。どっちも、ちからもち。入道雲がまぶしい日、ジャンボがはねを広げて、ブーン。まどガラスにはげしくぶつかった…。