どうぶつのわかっていること・わかっていないこと(小学館集英社プロダクション)
「答えのない問いに向き合う力」をはぐくむ新感覚の絵本
- 全ページ
- ためしよみ
『学研の図鑑LIVE 昆虫 新版 DVDつき』は6月23日に全国の書店、ネット書店で発売された図鑑。本書の大きな特徴は約2800種以上もの昆虫がすべて生きた状態で撮りおろしされていることで、4月14日に予約を開始してから早くも話題となっています。
生きた昆虫の撮影を進める中でいくつか新種が発見され、中でも発見されたカワゲラ目ホソカワゲラ科の一種を、「学研」にちなみ「ガッケンホソカワゲラ」と命名しました。
今回の新種発見に至った経緯や、図鑑に新種を掲載することになった喜びなどを、担当編集者の牧野嘉文氏と、実際に採集を行った中峰空氏(大阪・箕面公園昆虫館館長)に語ってもらいました。
――新種発見の経緯をお聞かせください。
中峰 僕は今回、カワゲラを担当させてもらっていたので、『昆虫 新版』に掲載するためにカワゲラの仲間を京都の鞍馬川で採っていたんです。いろいろな論文を読んでみると、日本にはホソカワゲラの仲間がたくさんいるけれど、名前が付いていない、いわゆる「未記載種」も多いらしいので、そうしたカワゲラが採れたらと思っていました。すると、採集したカワゲラの中に2個体、今までに見たことがなく、論文や図鑑にも載っていないものが見つかりました。
――新種の決め手となったものはなんですか?
中峰 簡単に言えば、オスの交尾器の形、腹端の構造が今まで知られていたものとは違いました。昆虫の新種は、交尾器の形の違いを特徴として記載されることが多いんですよ。交尾器が違えば、それは同じ種のメスとしか交尾できないということなので、新種と判断するポイントとなるわけです。発見後、牧野さんに「新種っぽいのがいました」とお伝えしました。
牧野 お話をいただいたときは嬉しかったですね。そもそも昆虫図鑑では名前のわからない種を載せることが多く、「○○の一種」という表記の仕方もするのですが、今回のように新種発見から名前を付けていく行程まで目の当たりにできたのは、いい経験になりました。
中峰 やっぱり新種を発見するって、夢がありますよね。新種として記載するまでの作業は地味でしんどいですけれど、子どもたちにもロマンを感じてもらえるので、僕も新しい図鑑のために頑張りました(笑)。
――今回のように新種が発見されると、どのように発表していくのですか?
中峰 まずは査読(※その学問分野の専門家が論文内容の査定を行うこと)付きの雑誌に記載論文を書くというのが通常の流れです。海外の方も読めるように、英語の出版物で発表するのが一般的ですね。今回の新種は学研にちなみ、「ガッケンホソカワゲラ」という名前にしました。学名は「Perlomyia gakken(ペルロミュイア ガッケン)」となります。
牧野 僕としては大変ありがたいなと思いましたが、会社名が付くということで、社内の関係部署にも確認しました。カワゲラは綺麗な川にしか生息していない昆虫ですし、清らかなイメージもあったので、企業的にも大変ありがたいお話だとご理解いただけました。
出版社からの内容紹介
シリーズ累計200万部!「学研の図鑑LIVE 昆虫 DVDつき」に新版が登場!
昆虫は約2,800種を生きた状態で新規撮影!標本では伝わらない「生きた色と形」で掲載。
総勢50名の研究者による最新・正確な情報で3歳から大人までずっと使える本格図鑑。
DVDは新版に合わせて新たに製作した完全オリジナル。バラエティに富んだ企画を多数収録。
さらに全動画スマホ・タブレット等でも視聴可能!いつでもどこでも動画が楽しめる。
【本誌 進化した10のポイント】
■全ての昆虫を生きた状態で新規撮影。標本では伝わらない「生きた色と形」
■収録種数は2,800種で類書中NO.1!近年発見され、他の図鑑には掲載されていない新種を多数掲載
■昆虫新版の制作に総勢50名の研究者が参加!最新・正確な情報と専門性の高いコラムでずっと使える
■雄雌の見分け方、卵から成虫になるまでの育ち方、飛び方、捕食について等、昆虫の生態がよくわかる。
■コラムページ「くらべてみよう」を新設。比較することで「なぜ違うのか?」まで踏み込んだ科学的な内容
□本誌の角を丸くカットする加工を実施。小さい子でも安全に使えるデザイン。
□LIVE専用開発により紙の軽量化を実現。従来比89%。
□ユニバーサルデザインフォントを採用。あらゆる人が読みやすさを追求。
★おうちのどこでも貼れる!B3サイズのひらがな学習ポスター
★3DARが進化!人気のカブトムシもリアルになって動く
【動画 進化した5のポイント】
●新版に合わせて新たに制作した完全オリジナル動画
●類書史上初!DVDに加えて、スマホやタブレット等でも視聴可能。
●数多くの子ども向け人気番組を手掛ける映像制作会社DIRECTIONSと共同制作
●昆虫の驚きの映像やバトル、クイズなどバラエティに富んだ企画を多数収録
●動画の長さは最大10分程度。ちょっとした時間にも見やすく、見すぎ防止にも役立つ。
<動画の目次>
1.ケタはずれ!昆虫たちのジャンプ力
2.瞬殺!昆虫たちのハンティング
3.昆虫ってなんだ?!(体のつくりの解説)
4.昆虫バトル
5.麗しき秋の調べ(鳴く虫の秘密)
6.探検!アリたちの世界
7.昆虫のワンダークイズ