谷口智則さん最新刊 全然違う「きみ」と「ぼく」の物語
絵本紹介
2022.08.31
みどころ
寝る前にお母さんに恐竜の本を読んでもらう男の子。でも、赤ちゃんの泣き声が聞こえてきて、お母さんはお話の途中で行ってしまいます。「つまんないの」。部屋の電気はついたままです。
そこで、男の子は飼猫のミーコと一緒に布団にもぐって、ほら穴探検ごっこを始めます。ところが、進んでも進んでも布団の端っこにたどり着きません。すると、気が付けばそこは大好きな恐竜の世界! 草食恐竜が肉食恐竜に襲われているところに出くわします。はぐれてしまったランベオサウルスの子どもを見つけた男の子は、一緒にお母さんを探してあげることにします。
ページをめくるたびに登場する様々な生き物。ここでは夜も多くの生き物が活動しています。恐竜だけでなく、小さな動物や虫もたくさんいます。単独で行動するもの、群れで行動するもの、親子、カップル。草木や生き物の匂いまでしてくるようです。遠くには、徐々に赤みを増していく火山も見えます(大丈夫でしょうか?)作者であるまつおかたつひでさんの描く生き生きとした生き物たちの夜の暮らし、そっとのぞいてみませんか。
名前がわからない恐竜は、見返しのイラストから探してみてくださいね。
それぞれに登場するページ番号が書かれているので、すぐに見つかりますよ。
この書籍を作った人
1944年新潟県長岡市に生まれる。自然科学、生物のイラストレーター。創作絵本のほか、国内はもとより、中南米、アフリカ、東南アジアなど世界各地での取材にもとづく、多くの科学絵本を発表している。『すばらしい世界の自然』(大日本図書)で厚生省児童福祉文化賞、『熱帯探検図鑑』(偕成社)で絵本にっぽん賞、『ジャングル』(岩崎書店)で厚生省児童福祉文化賞と日本科学読物賞を受賞、『震度7』(ポプラ社)で産経児童出版文化賞、『里山百年図鑑』(小学館)で小学館児童出版文化賞を受賞。主な絵本に、『ぴょーん』(ポプラ社)、『だんごむしそらをとぶ』(小学館)、『ちきゅうがウンチだらけにならないわけ』(福音館書店)などがある。▶新潟県見附市の、ギャラりー「ぴょーんROOM」の情報はこちら>>
恐竜好きだからこそ
生き物の作品で一目置いている松岡達英さんが、恐竜もの!?と惹かれました。
寝る前の絵本もそこそこに、赤ちゃんの世話に行ってしまったお母さんに未練の残る主人公ですが、だからこそ、こんな素敵な体験ができるのですね。
主人公の恐竜好きは、そこここから感じられます。
出会った恐竜たちを、草食、肉食と識別でき、はぐれた子ども恐竜の種別もちゃんとわかっている博学ぶりに脱帽です。
恐竜の造形も素敵ですし、そっと描かれた昆虫や生き物も本領発揮です。火山の様子も、古代の地球を体感できますね。幼稚園児くらいから、生き物の世界を堪能してほしいです。
(レイラさん)
だいすきな気持ちをたいせつに育てたくなりました
「ぼく」は寝る前におかあさんがお話をよんでくれる時間がだいすき。
でも読んでいる途中でおかあさんは泣きだしたあかちゃんのもとへ。
「つまんないの」とがっかりするぼく。
それからおふとんのなかにもぐっちゃえ「ほらあなたんけんだ!」
そこからきょうりゅうの世界へ、ぼくの大冒険がはじまります。
きょうだいができたばかりのこどもにはありがちな場面。
でも寂しかったり、がっかりしたり、腹が立ったりする気持ちから、自分で気持ちを切り替えて楽しみに向かってほらあなたんけんにいくぼくはおにいちゃんとして成長しているな、と感心してしまいました!
すきなことへの興味を膨らませることや楽しいことへ向かって動くことが笑顔につながっているのをこの本を通じて見せてもらいました。
きょうりゅうずきなこどもだけでなく、すべてのこどもやパパ、ママにもおすすめです。
(もけこさん)
ブランニュープラチナブックとは……?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
「ブランニュープラチナブック」は、1900万人の絵本ナビ読者の評価と販売実績を得て、新しく「プラチナブック」に仲間入りした注目の人気作品。作品を推す読者のコメントを読むと、選ばれた理由がわかります。