絵本紹介
2022.11.07
みどころ
夜中にパチッと目が覚めて、トイレに行きたくなっちゃった。もしもおばけがいたらどうしよう……。怖いけど、勇気を出して行かなくちゃ……! 子どもなら誰でもよーくわかる、こんな気持ちを、『あっちゃんあがつく たべものあいうえお』(原案・みねよう、リーブル)で人気のさいとうしのぶさんが絵本に描きました。
「なんで ぼくは、『きょうから ひとりで ねます』なんて ゆうたんやろ。ひとりで トイレにいかな あかんやん」と嘆くぼく。だって、まず、子ども部屋の戸を開けるのが怖いんです。戸を開けたら「ダーン!!」っておばけが落ちてくるかもしれないし、電気のスイッチを押そうとしたら、壁から「ニューッ」と出てくるかも!
そうそう、こういうときの妄想って止まらないんですよね……。もう怖くて、怖くて。ぎりぎりまでトイレをがまんしちゃう。でもぼくは勇気を出しますよ。戸を開けて、電気をつけて、階段を降りて。とうとうトイレのある1階に……と思ったら、おばけが「でたあ!」……!?
ぼくの頑張る姿、表情、そして妄想に出てくるおばけたちも何だかユーモラスで笑っちゃいます。さあ、ぼくはトイレまでちゃんとひとりで行けたのかな? さいとうさんの描くこんなおばけなら、かわいいばかりで、案外怖くないかもしれませんね。絵本の中には、さらにいろんなおばけちゃんがかくれていますよ。探してみてくださいね。
子どもの怖いことナンバー1
子どもにとって、家の中での怖いこと第1位といったら、断トツで“夜中に目覚めてトイレに行く”でしょう!!
しかも一人で、トイレは部屋から遠い…と、条件をつけていったら、怖さレベルはもう急上昇です。
4歳の我が子はまだまだ一人でトイレに行きませんが、ぼくのドキドキが伝わったようで、腕にくっつき、隙間からそぉーっと覗いてみていました。
すると、指をさして、「ママ、オバケがいるよ!」「ここにもいる!」「あっ!」とページをめくるたびに発見。絵本の中のぼくは気づいていませんが、確かに小さなオバケが隠れているんです。
読み進めるごとにドキドキハラハラが増しますが、ぼくが関西弁なので少し怖さがマイルドに。そしてドキドキの最高潮の後は…ホッとし、緊張が一気に緩みます。
こんなオバケなら怖くないかも。怖がっていた子どもも、ふふっと笑っていました。
表紙の絵からは想像できませんが、外国のオバケも出てくるので、ハロウィン絵本としてもオススメです。
(うさぎのタンタンさん ママ)
母も子もドキドキ
読み始めてまず驚いたのが関西弁ということ! 方言を持たない私にとって絵本が関西弁で書かれているというのは似非関西弁で読まなくてはいけないドキドキがありました。
作中でもしっかりツッコミが入っていたり、お笑いの本を読んでいるようで大人も飽きません。
子どもはおばけの本が好きなので食いつきもよく、次々に出てくる男の子の妄想のおばけやトイレに行くまでのミッションを楽しんでいました。
そしていよいよクライマックス。
トイレの中に誰かいる!?とページをめくった瞬間、息子が「アハハ!」と笑ったのです。こんなに可愛いおばけが出てくると思わなかったようです。
その後、息子が夜遅くにトイレに行きたくなった時は「まだ2時じゃないよね?」と聞くようになりました。それが可愛らしくもあり可笑しくて。この本のおかげで夜にトイレに行くのは怖いけど、2時にならなければおばけは出てこないという確信が持てたようです。
(はははむさん ママ)