世界26か国の食べものを紹介した、楽しい大判絵本!
絵本紹介
2023.02.28
みどころ
おとうさん、おかあさん、おにいさん、おとうと、いもうと。「うろおぼえ一家」の特徴は全員同じ。それは「うろおぼえ気質」だということ。そう、何もかもがうろおぼえ、もう見ていられないくらい! でも不思議と楽しい気持ちになってくるのです。前作『うろおぼえ一家のおかいもの』を読んだことある方ならわかりますよね。
さて、今回はそんなうろおぼえ一家がパーティを開くことになりました。誰かのなにかをお祝いする大切な日です。ええーっ、そこも忘れちゃうの?
けれどもとにかく支度をはじめていると、次から次へとお客さんが訪れます。ねこの親子は歯が抜けたと報告に、100ぽぴったりで家に着いたといういぬに、拾ったタネから芽が出た!と2ひきのはりねずみも。なんだかみんなおめでたい。そこに、大変な姿で帰ってきたのは……?
結局うろおぼえのまま開かれるパーティー。
「おめでとう!」
あちらこちらに気になる答えの片りんは転がっているのだけれど、思い出せないのだから仕方がない。お祝いしたい気持ちは本物ですからね。ありえないけれど、一緒にいたくなる。愛すべき一家のおはなしです。
この書籍を作った人
画家、イラストレーター。小人の豆本を作ったり猫のイラストを描いたりしながら、幼稚園の絵画教室の講師をしている。主な作品に、『おべんとういっしゅうかん』(学研)、『ポテトむらのコロッケまつり』(文/竹下 文子・教育画劇)、『たくはいびーん』(作/林 木林・小峰書店)などがある。
うろおぼえ一家はすぐ大事なことを忘れちゃう。 パーティーの用意をしながら何のパーティーだったかも忘れちゃう。 壁には色んな注意書きやメモを貼ってみたものの、貼ったことすらも忘れちゃう。
この世界には、そんなゆるゆるな一家に対して もっとちゃんとして!と怒る人もいない。 みんなゆるく運命を受け入れつつ、流れに身を任せて偶然訪れた今を楽しんでいます。
読み聞かせしたら、子どもは大爆笑。 背景のポスターを指差しながらパーティーの飾りを発見したり、ゆるい登場人物ににやにやしたりしています。
壁にメモを貼りまくるタイプの大人の私は、失敗を責めない大人になれてるかな…。と、うろおぼえ一家のゆるくて楽しい生き方に感動してしまいます。もっと肩の力を抜いてもいいのかも。
(ジル子さん)
平和な家族
うろ覚え一家は忘れっぽい家族で壁には注意書きがたくさん貼られています。だれのためのなんのパーティーなのか分からないまま、他人の小さな喜びをお祝いできる一家は平和そのものです。ストーリー上は、だれのためのなんのためのパーティーかは明かされていませんが、裏表紙のプレゼントから推測できます。我が家の6歳の娘にはまだ推測できませんでしたが。
個人的に裏表紙やそでのカバーにまで物語の要素が散りばめられている作品が好きなので好感が持てました。一家の住む街の地図もありこれからも物語が広がって行きそうな期待が持てます。
ニワトリは3歩歩いたら忘れるの例えをキャラクターのモチーフにしているのかと思ったら、うろ覚え一家はアヒルでした。
(ゆみさえさん)
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