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絵本紹介

2023.03.24

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謎の言葉のその意味は…?『パライパンマンマ』 【NEXTプラチナブック】

絵本ナビがおすすめする「NEXTプラチナブック」(2023年2月選定)から、ご紹介する一冊はこちら!

小さなマシュマロン村に響き渡る「パライパンマンマ」という謎の言葉。その声の正体は…? 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介する絵本は、『パライパンマンマ』。今、世界からも大きな注目を集める韓国絵本。どんな内容なのでしょう。

NEXTプラチナブックとは…?

絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。

そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。

謎の言葉のその意味は…?『パライパンマンマ』

ぼくらをうまうま!?

  • パライパンマンマ

    みどころ

    小さなマシュマロンたちがのんびり暮らす、マシュマロン村。好物の赤い実を食べ、ごろりと横になり、丘の上で夕日を眺めるマシュマロンたち。そんな気ままな毎日を送っていたある日、村じゅうに響き渡ったのは大きな謎の声。

    「パライパンマンマ」

    声の主は、見たこともないくらい大きくて黒いモジャモジャのいきもの。驚いたマシュマロンたちは、モジャモジャは自分たちを食べようとしてるのではないかと恐れ、戦うことを決意するのです。

    「このまま うまうま くわれるわけには いきません!」

    みんなで一丸となり、木の実を投げつけたり、ひもで縛りつけようとしたり。でも、モジャモジャは本当に彼らを食べるつもりなのでしょうか。 ひとりの小さなマシュマロンが疑問を投げかけ……。

ある日、マシュマロン村に響き渡る大きな声。山のむこうには、見たこともないくらい大きな生き物。

驚いたマシュマロンたちは、怖がりながらも「パライパンマンマ」という謎の言葉の意味を解読しようとするのです。ンマンマンマ、ウンマァ、ウマ……ぼくらをうまうま!?

いま世界が注目する韓国絵本から、また愉快な絵本の登場です。細い線で細かく、そして愛嬌たっぷりに描かれるマシュマロンたちやモジャモジャ。コマ割りで進んでいくその内容は、見ているだけでも楽しく笑ってしまいます。それでも、いきなり得体の知れない大きな生き物や理解することのできない言葉に遭遇した時、私たちはやはり彼らと同じような想像をふくらませていってしまうのではないでしょうか。

相手を理解しようとすること、先入観なく相手のことを見ること。しっかりと話を聞くこと。それがどんなに大事なことなのか。絵本を楽しむなかで、しっかりと伝わってきます。よかったね、モジャモジャと小さなマシュマロン。さて、「パライパンマンマ」とは? なんと言ってたのでしょう。

イタリアで行われる世界最大の児童書見本市「ボローニャ・ブックフェア」で、2021年にクリエイティブでデザイン性に優れた作品に贈られる「ボローニャ・ラガッツィ賞」のコミック部門最優秀賞を受賞した作品です。

編集長のおすすめポイントは……

わかりあうって、素敵

「ちょっと待って。大きな声でさけばずに、静かにゆっくり落ち着いて話してみて」。まわりの雰囲気に流されず、相手をじっと見て、冷静に話を聞こうとする小さな一人のマシュマロン。もし自分だったら、こんな行動できるかな。でも、「友だちづくり」の第一歩って、こういうことなのかもしれませんよね。わかりあうって素敵。絵本を通して、そんな体験ができる一冊です。

この書籍を作った人

イ・ジウン

イ・ジウン (いじうん)

絵本作家。韓国とイギリスにおいてデザイン、絵画を学ぶ。主な作品に『かみになっちゃったパパ』(わたなべなおこ 訳 ワールドライブラリー)他多数。『パライパンマンマ』( 申 明浩 広松 由希子訳 ポプラ社)は、イタリアで行われる世界最大の児童書見本市「ボローニャ・ブックフェア」で、2021年にクリエイティブでデザイン性に優れた作品に贈られる「ボローニャ・ラガッツィ賞」のコミック部門最優秀賞を受賞した。

イ・ジウン 作品一覧

この書籍を作った人

申 明浩

申 明浩 (しんみょんほう)

1986年来日。武蔵野美術大学大学院視覚伝達デザイン修士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科表象文化論博士課程満期退学。現在は、武蔵野美術大学、相模女子大学で教鞭をとる他、多数の論文を発表。1994年、韓国初の絵本理論書『絵本の世界』を出版。絵本の訳書に『ヒキガエルがいく』(パク・ジォンチェ作 広松由希子共訳 岩波書店)などがある。韓国初の絵本歴史展(大韓民国国立中央図書館)や、韓国初のボローニャ国際絵本原画展を企画・開催。絵本評論や講演活動を行っている。

この書籍を作った人

広松 由希子

広松 由希子 (ひろまつゆきこ)

編集者、文庫主催、ちひろ美術館学芸部長などを経て、現在フリーで絵本の文、評論、翻訳、展示企画などを手がける。ボローニャ国際絵本原画展、ブラチスラバ世界絵本原画展(BIB)など国際絵本コンペの審査員を歴任。立教大学、武蔵野大学、横浜美術大学兼任講師。JBBY副会長。著書に『日本の絵本 100年100人100冊』(玉川大学出版部)『きょうの絵本 あしたの絵本』(文化出版局)など、絵本作品に『おかえりたまご』(しまだ・しほ絵 アリス館)『おめでとう』(茂田井武絵 講談社)など、絵本翻訳に『はしれ、トト!』(チョ・ウヨン作 文化出版局 日本絵本賞翻訳絵本賞)『ヒキガエルがいく』(申 明浩共訳 岩波書店)『パライパンマンマ』(申 明浩共訳 ポプラ社)などがある。

広松 由希子 作品一覧

磯崎 園子(いそざき そのこ)

絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。

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