谷口智則さん最新刊 全然違う「きみ」と「ぼく」の物語
出版社エディターズブログ
2023.04.07
4月14日に発売する青色が美しい韓国の絵本『ほしをつるよる』は、読んでいる間も本を閉じた後も豊かな気持ちになれる作品です。
今回、本作の作者キム・サングンさんのインタビューが届きました。
キム・サングンさんは、私たちに素敵な気持ちになる物語を、いつもプレゼントしてくれる作家です。前作『もぐらくんのねがいごと』は真っ白な雪原を舞台にした作品でしたが、最新作『星をつるよる』で描かれるのは、夜空の輝く星々へ私たちを連れて行ってくれるような、神秘的な青い風景。静かな夜にだけ感じられる、穏やかで深い感性を刺激するような作品です。
― 新作が出ました。2015年から準備されてきたとのことですが、長い間準備してきた本が出版された今のお気持ちは?
本来なら『もぐらくんのなやみ』の次に出したかったのですが、納得がいかなくて、悩んでいる間に先に『もぐらくんのねがいごと』(翻訳版/岩崎書店)を出すことになりました。
常に『星をつるよる』を早く完成させなくては……という気持ちが心のどこかにあり、苦しかったので今は清々しい気分です。
宿題を終わらせてしばらくはゆっくりと眠れるのではないかと思っています。
― 前作とは違い、全体的に青を基調とされていますね。
少し前に子どもの読者が私の描く青は「サングンブルー」だと表現してくれて、この上ない称賛をいただいた気分でした。
「わっサングンブルーだなんて!」と本当にカッコ良くて面白い表現だと思いました。
『星をつるよる』は表表紙から裏表紙まで青で埋め尽くされた本です。
色にはその色が持つ感情や雰囲気がありますが、私は青色が持つ基調の中でどんなことでも起こりうる幻想的なところが好きです。
自分にとって何かを期待させる色、夜の雲の背後に隠された幻想的な青い夜のようです。
― 可愛いらしいうさぎが出てきますが、子どもにとって、気持ちを一番わかってくれる友達のように思いました。謝辞にも書かれていましたが、キムさんにとってうさぎはどのような存在ですか?
月にいるうさぎは子どもの分身だと考えています。
住む場所や話す言葉が違っても(うさぎは「うさぎうさぎ」としか言わない)心を通わせることができるじゃないですか。
特別な言葉はなくともお互いに分かり合える、癒されるあたたかいものすべてをうさぎに置き換えたかったのです。
それは自分の祖母であり、家族、友人でもあります。
あ、私の一番の親友である本を一緒に作ってくれた編集者とデザイナーの方もうさぎ年です。
そばにいてくれる自分だけのあたたかいうさぎを見つけてほしいです。
一緒に遊んだり、辛い時にそばで慰めてくれたりする自分の分身のような何かを。
出版社からの内容紹介
読んでいる間も、本を閉じた後も、豊かな気持ちになる、真夜中の物語。
眠れなくて不安な夜、窓の外のお月様に「あそぼうよ」と声をかけてみると、星形の釣り針がついた糸がするするとおりてきて、眠れないお友だちがつぎつぎとあつまってきました……。2020年の国際推薦児童図書目録『ホワイト・レイブンズ』に選定された、韓国の新進気鋭の絵本作家による最新作!
言葉にしなくても 相手のことを 理解しようとする 大切な 気持ちを 描こうと しました。
世の中の すべての「ひとり」が 集まって、 思う存分 遊んで
その力で ぐっすり寝られることを 願っていますーーキム・サングン