のりもの好きな子大集合!
絵本紹介
2023.08.21
ゾクゾクこわ〜い! けれど、興味をくすぐられる存在、「おばけ」。「ひゃ〜」って怖がるわりに、「読んで!」と持ってきてくれる不思議なジャンルです。とはいえ、小さなお子さん向けだと怖さのレベルも気になるところ。大人でも、その手の話が苦手な方は、絵本も選びも慎重になりますよね。
さあ、赤ちゃんやおばけ初心者の皆さんは、こちらの入門編からお楽しみください。「怖さ:面白さ」は「1:9」くらい。思わず友だちになれちゃいそうなおばけの子や、どこか人間臭くて憎めない鬼のコンビ、妖怪たちは運動会! 奇奇怪怪な世界に安心して飛び込んでいける、面白くて親しみやすいおばけ絵本を集めました。
本棚に一冊並んでいるだけで、ソワソワ気になってしょうがない。夏の残り香が色濃く漂うこの時期に、おばけの世界へ参りましょう。
この書籍を作った人
東京都に生まれる。児童文学作家。高島屋の広告デザイナーを経て、児童文学、絵本、童話の創作を始める。主な作品に「十二歳の合い言葉―12歳」シリーズ(ポプラ社)、『あのときすきになったよ』(教育画劇)、『ハキちゃんの『はっぴょうします』』(佼成出版社)、『ちかちゃんのはじめてだらけ』(日本標準)、『なつのおうさま』(ポプラ社)、「みんなでんしゃ―赤いでんしゃ」シリーズ(ひさかたチャイルド)、近著に『しらゆきちりか ちっちゃいな』(PHP研究所)、『歯っかけアーメンさま』(理論社)、「スパイガールGOKKO」シリーズ(ポプラ社)など多数。ENEOS童話賞選考委員。
この書籍を作った人
詩と絵で綴る大人向けの「心の絵本」から、絵本の世界へ入り、児童書の創作活動へ。 主な作品に「みんなでんしゃ」「ぎゅうぎゅうでんしゃ」「ないしょでんしゃ」「ふらふらみつばち」(以上、ひさかたチャイルド)、「みてみて!」(ポプラ社)、「でっかいたまごとちっちゃいたまご」(WAVE出版)などがある。
この書籍を作った人
東京生まれ。武井武雄氏に師事。1970年、「いやだいやだの絵本」でサンケイ児童文学賞受賞。児童出版美術家連盟会員。「あーん あんの絵本<全4冊>」(福音館書店)、「おおきくなりたい<全4冊>」(偕成社)、「ばけものつかい」(童心社)、「おばけのてんぷら」(ポプラ社)などの作品がある。ほかに紙芝居、装丁、さしえなど幅広い分野で活躍中。
この書籍を作った人
亀山達矢(1976年三重県生まれ)と中川敦子(1978年京都府生まれ)によるユニット。 絵本やイラストレーションをはじめ、工作、ワークショップ、舞台美術、空間デザイン、アートディレクションなど、様々な分野で幅広く活動している。著書に「かおノート」(コクヨ)「やさいさん」(学研教育出版)「いろいろバス」(大日本図書)「うんこしりとり」(白泉社)など多数。海外でも様々な国で翻訳出版されている。NHK Eテレの工作番組「ノージーのひらめき工房」のアートディレクションも担当。絵本「しろくまのパンツ」(ブロンズ新社)で第18回日本絵本賞読者賞、Prix Du Livre Jeunesse Marseille 2014 (マルセイユ 子どもの本大賞 2014 )グランプリ、「パンダ銭湯」(絵本館)で第3回街の本屋が選んだ絵本大賞グランプリ、第24回けんぶち絵本の里大賞 大賞、「わくせいキャベジ動物図鑑」(アリス館)で第23回日本絵本賞大賞を受賞。2019年にやなせたかしさんの遺志を継いで創設された、第1回やなせたかし文化賞の大賞を受賞。武蔵野美術大学油絵学科版画専攻 客員教授、大阪樟蔭女子大学 客員教授。
出版社からの内容紹介
夕方、人間たちのサッカーをこっそりと見ていたひとつめこぞう。「ぼくも やってみたいなぁ」夜な夜な、仲間の妖怪たちに声をかけ、いよいよみんな大集合。ぱーぷー! 豆腐小僧の笛で、ゲームがはじまります。カッパに化け猫、雪女、いったんもめんにろくろ首……でるぞ、でるぞ! 妖怪たちのびっくりプレー! どうなる? ようかいサッカー!?
絵本・読み聞かせのプロ、聞かせ屋。けいたろう氏が手がける文章は、声に出して盛り上がること間違いなし! ひろかわさえこ氏が描く個性豊かな妖怪たちが、ボールを蹴って駆け出します。
しかけページではダイナミックなプレーも再現! サッカー好きも、絵本好きも、皆一緒に熱くなれるサッカー絵本です。
この書籍を作った人
夜の路上で、大人に絵本を読み始めた、聞かせ屋。親子読み聞かせ、絵本講座、保育者研修会で全国を駆け巡る。絵本の文章、翻訳も手がける。元保育士で一児の父。作品に「どうぶつしんちょうそくてい」「おっぱいごりら」(アリス館)「まいごのたまご」(角川書店)など。
この書籍を作った人
北海道小樽市生まれ。武蔵野美術大学商業デザイン科卒業。主な作品に、「ぷくちゃんえほん」シリーズ、『いちにのさんぽ』、『あめぽったん』(すべて、アリス館)、「やさいむら」シリーズ、『ぞろりぞろりとやさいがね』(ともに偕成社)、「かばくん・くらしのえほん」シリーズ(あかね書房)などがある。日本児童出版美術家連盟会員。
みどころ
「おばけのきもだめし」・・・あれ? なんかおかしい。
そう、この絵本。「おばけのこども」たちが森できもだめし大会をするお話なのです。
なんだか始まる前からみんな不安気な顔をしています。
ろくろくび、のっぺらぼう、ひとつめにかさおばけ。
みんなだって結構こわい顔をしているのにね。
さて、えんまさまの一声できもだめしはスタートです。
「さっさと、いけー」
そろ、そろ、そろり。
ちょび、ちょび、ちょびっと。
みんなはくっついて、だんごになって歩きます。その時・・・
「でたーっ」
出ました、出ました。これはこわい!
おおダヌキにガマガエル。なにしろみんな大きくて迫力満点なのです。
おやおや、ひのたまはぶるぶる震えていますよ。
そんな時、一番こわいあのおばけが・・・!?
内田麟太郎さんと山本孝さんのコンビが描くおばけの絵本。
迫力あって、それでいてユーモラス。
こわいけど、楽しい。
子どもたちが大好きな内容です。
この書籍を作った人
1941年福岡県大牟田市生まれ。個性的な文体で独自の世界を展開。『さかさまライオン』(童心社)で絵本にっぽん大賞、『うそつきのつき』(文渓堂)で小学館児童出版文化賞、『がたごと がたごと』(童心社)で日本絵本賞を受賞。絵本の他にも、読み物、詩集など作品多数。他の主な作品に「おれたち、ともだち!」シリーズ(偕成社)、『かあさんのこころ』(佼成出版社)、『とってもいいこと』(クレヨンハウス)、『ぽんぽん』(鈴木出版)などがある。
この書籍を作った人
1972年、愛媛県松山市に生まれる。大阪デザイナー専門学校編集デザインコース絵本科卒。「あとさき塾」「メリーゴーランド絵本塾」で絵本を学ぶ。作品に『アブナイかえりみち』『アブナイおふろやさん』『祗園精舎』(ほるぷ出版)『ちゃんがら町』『十二支のおはなし』『がっこういこうぜ!』『おばけのきもだめし』(岩崎書店)『雪窓』『本所ななふしぎ』『学校ななふしぎ』(偕成社)『むしプロ』 『カイジュウゴッコ』(教育画劇)『ぬ〜くぬく』(農文協)『にんじゃつばめ丸』(ブロンズ新社) 『えかきのチャーリーひみつのかべ』(イースト・プレス)『いっすんぼうし』(あかね書房)『はのはのはなし』(アリス館)などがある。
この書籍を作った人
東京生まれ。幼少期を、自然に恵まれた神奈川県津久井郡で過ごす。武蔵野美術大学卒業。在学中はリトグラフに熱中。趣味は読書とランニング。特に自然の中を走ることが大好き。作品に『こんたのおつかい』『かっぱのかっぺいとおおきなきゅうり』『にげだしたてじなのたね』『こんた、バスでおつかい』(徳間書店)などがある。
この書籍を作った人
1969年、東京都に生まれる。画家。第2回岡本太郎記念現代芸術大賞展出品。個展、グループ展にて作品を発表している。『のっぺらぼう』(杉山亮・作、ポプラ社)で第16回日本絵本賞及び読者賞を受賞。主な絵本の作品に『いいないいなこのおうち』『いいないいなあのおうち』(ともに小学館)、『おたまさん』『こっそりどこかに』(ともに長崎出版)、『ちょうつがいきいきい』(加門七海・作、東雅夫・編、岩崎書店)、『まんげつのこどもたち』(イースト・プレス)、『大接近!妖怪図鑑』『大出現!精霊図鑑』(ともにあかね書房)ほか多数。
みどころ
空は晴天、はためく国旗。とびっきりの運動会日和!
だけど今日は、ただの運動会じゃありません。
「わたしたちは、妖怪精神にのっとり
のびたり ちぢんだり とんだり
妖怪らしく正々堂々と
競技することをちかいます」
『妖怪横丁』『妖怪遊園地』『妖怪温泉』などなど、広瀬克也さんの「妖怪シリーズ」でおなじみの妖怪たちが、こんどはみんなで運動会!
妖怪のための運動会、やっぱり、ふつうの競技は見当たりません。大玉転がしは、燃え盛る火だるま転がしだし、二人三脚では、足を結び合わせるかわりに、ふたりでデカいひとつのパンツをはいてのかけっこ! 障害物競走では、雪女に冷気を浴びせかけられ、ろくろ首のからまった首と格闘して……どれもこれも、妖怪らしい、むちゃくちゃな競技ばかりです。
聞いたことあるあの妖怪も、初めて知ったこの妖怪も、入り乱れての大混戦! 次から次に飛び出すおかしな競技を、妖怪たちは自分の個性を駆使してクリアしていきます。
そしてお昼は特製弁当。これも、妖怪らしいめちゃくちゃなメニュー……と思いきや、人間たちでも、よだれを垂らしてよろこびそうなお弁当です。エビフライにステーキにお寿司に……う、うらやましい!
晴天の下、たのしそうに競技にのぞむ妖怪たちのにぎやかな様子に、読んでるこちらも心ウキウキそわそわ、お祭り気分になる一冊です。
夜に墓場でやるのもいいけど、やっぱり運動会は青空の下! さあ、赤組白組、勝つのはどっちだ!?
この書籍を作った人
1956年 大阪生まれ。著書に、『おーい ペンギンさーん』『特急おべんとう号』(福音館書店)、『ちくわのわーさん』『こんぶのぶーさん』『うどんのうーやん』(ブロンズ新社)、『ハブラシくん』(ひかりのくに)などがある。奈良県在住。2012年『ちくわのわーさん』(ブロンズ新社)で、第3回リブロ絵本大賞を受賞。
文:栗田奈緒子 編集:木村春子