箱のなかにはいっているのは?!
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絵本紹介
2024.01.18
もうすぐ節分。節分といえば、年に一度、2月初旬の行事ですが、昔はなんと年に4回も行われていたのだそうです。 節分は「季節を分ける」日を意味し「立春・立夏・立秋・立冬」を指しました。この日には邪気が生じると考えられていたので、前日に邪気払いが行われていたのです。そんな中でも旧暦の大晦日にあたる「立春」の邪気払いが新年の始まりとして特に大切にされたことから、次第に立春が「節分」と呼ばれるようになったのだとか。この由来を知ると、一年分の邪気を一気に追い払わなくちゃいけない豆まきにますます気合が入ります。
そんな節分や豆まきの由来を、子どもたちにわかりやすく教えてくれる絵本をご紹介します。おはなしを楽しみながら、自然に行事への理解を深めてくれる本は、ぜひ節分準備の前に読んでみてください。
鬼が主人公の絵本もいろいろ! 泣き虫な鬼、ステーキが食べたい鬼、人間と仲良くなりたい鬼、友だち思いの鬼……追い払うなんて気が引けちゃう、愛おしい鬼たちが登場します。豆まきでは「鬼は内!」「福は外!」なんて声も聞こえてきたり……?! バラエティ豊かな絵本でも、節分を楽しんでくださいね。
みどころ
『いただきバス』『いもほりバス』『たなばたバス』につづく4作目。
可愛いバスくんとねずみたちが活躍する人気シリーズ。
藤本ともひこさん流の、ゆかいな言葉遊びがたっぷり入ったシリーズに、節分のお話が登場です。
きょうは節分。バス停に大きなマスクをしたバスくんがぽつんと待っています。
ねずみのみんながのこのこやってきて
「あれ? マスクなんかしてどうしたの?」と聞きます。
バスくんは「なにをのんきにしてるんでございバスか。
かいじゅうおにが まちのみんなを おににしてるんでございバスよ!」
えっ、どういうこと? 一体何が起きているの?
バスくんに乗りこんだねずみたちが、町で見たのは……。
「かいじゅうおに」がごほごほごー!と咳をしまくる姿。
咳をあびたみんなにツノが生えて、次々おにに変わる姿でした。
たいへん! 町のみんなを助けなくちゃ。
バスくんとねずみたちの、おに退治がはじまります!
いつもびろーんとのびたりジャンプしたり破天荒なバスくん、今回もやってくれます。
びっくりの豆まきで、おにを撃退、かぜも撃退!
豆があたってかいじゅうおにが崩れていく絵は迫力満点ですよ。
さあ、ごほごほごほー!と咳が聞こえてきたら「おには そとー! ふくは うちー!」
元気いっぱい豆をまいて、かぜも撃退しちゃいましょうね。
最後はおいしそうな恵方巻きも登場。
楽しい節分の1冊にどうぞ。
この書籍を作った人
1961年東京生まれ。1991年講談社絵本新人賞を受賞して絵本作家デビュー。その後、絵本・読み物・紙芝居・作詞・保育あそびなどの創作活動をはじめる。絵本『しーらんぺったん』(世界文化社)『いただきバス』(すずき出版)、読み物『おひるねどうぶつえん』(すずき出版)、CDブック『ぼくのうたきみのうた』シリーズ(世界文化社)など。2011年。NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」で、あそびうたが放送される。「ねこときどきらいおん」「げんきタッチ!」「おさんぽペンギン」など大好評。on airは続いている。2015年。NHK Eテレ「いないいないばあっ!」 4月からのリニューアルに参画。新しい人形劇の設定世界観+キャラクターデザイン+セットデザイン+原作を担当。新おねえさんのゆきちゃんの就任 曲「にこ にこ んぱ!」の作詞。遊びロケコーナーのBGMの作詞作曲も担当。
出版社からの内容紹介
今日は節分。
鬼が家に入ってこないように、たろうくんの家族はみんなで豆をまきます。
でも、窓からやってきた子どもの鬼は、「うえ〜ん!」と泣いていて…。
西村敏雄が贈る、大好評季節絵本シリーズ。
2023年12月刊
この書籍を作った人
愛知県生まれ。東京造形大学デザイン科卒。インテリアとテキスタイルのデザイナーとして活動後、絵本の創作を始める。第1回日本童画大賞優秀賞受賞。絵本に『バルバルさん』『もりのおふろ』『どうぶつサーカスはじまるよ』(福音館書店)、『どろぼうだっそうだいさくせん!』『もじもじさんのことば劇場 オノマトペの巻』(偕成社)、『そこにいますか―日常の短歌』(岩崎書店)、『うんこ!』(文溪堂)、『どうぶつぴったんことば』(くもん出版)他多数。
みどころ
かっぱに小鬼に雪女! どこを向いても妖怪だらけの「ようかいむら」に、きょうもたのしいイベントの予感!
「きょうは まめまきだね」
「まめを もって ようかいじんじゃに あつまるんだって」
そう、きょうのイベントは節分、豆まき! 小鬼たちは、はじめての豆まきにワクワクしています。
たかいよしかずさんの、「ようかいむら」シリーズ12作目! いつもお馴染みの妖怪たちにくわえて、七福神も閻魔様も登場して、にぎやかさは3倍! 縁起の良さは10倍!
妖怪あずき洗いのお店で豆を調達し、みんなでワイワイようかい神社へ向かいます。舞台の上から盛大に豆をまくのは、あまのじゃくのじゃくじゃくと、ろくろ首のおろくちゃん。
鬼は外、福は内と威勢のいいかけ声に、会場は大盛り上がり! ところが……
「おには〜〜〜うち!」
「ふくは〜〜〜そと!」
なんだか、おかしなかけ声が混じっています。
それに怒った七福神は、閻魔様まで呼んできて犯人を探しますが……まあ、だれが言ったか、なんとなくわかるような……。
思わぬトラブル勃発の、鬼も福も参加する豆まき大会! ようかいむらでは、みんなにこにこ、仲良しがイチバンです。
出版社からの内容紹介
ヒーローが教えてくれる「せつぶん」行事の由来がわかる絵本!
おにのお面ダウンロード付き!
幼稚園や保育園で読まれている月刊保育絵本から生まれ、
市販でも版を重ねている「セブン」シリーズの、新装リニューアル版です。
「ふだん、絵本に興味を示さない子どもたちも、
愉快なヒーローの登場で楽しく集中して聞いてくれます」と、園で大人気の絵本です。
新しく節分アイテムの由来や、せつぶん博士になれるクイズを掲載、
それに、おにとセブンのお面がゲットできるQRコード付き。
この書籍を作った人
絵本・童話作家。 編集者、ライターなどを経て子ども向け作品を書き始める。 『どうぶつゆうびん』(あべ弘士・絵 講談社)で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、『ふってきました』(石井聖岳・絵 講談社)で日本絵本賞、講談社出版文化賞絵本賞を受賞。そのほか絵本に「セブンの行事えほん」シリーズ(ふくだいわお・絵 世界文化社)、「すっぽんぽんのすけ」シリーズ(荒井良二・絵 鈴木出版)、「狂言えほん」シリーズ(講談社)、『おいなりさん』(中川学・絵 アリス館)、童話に「おばけのバケロン」シリーズ(つじむらあゆこ・絵 ポプラ社)、『うめちゃんとたらこちゃん』(田中六大・絵 講談社)などがある。絵本とおやつについて綴ったエッセイ『レモンパイはメレンゲの彼方へ』(ホーム社)も好評。
この書籍を作った人
1950年岡山生まれのかに座。 『がたたんたん』(ひさかたチャイルド)で絵本にっぽん賞受賞。 絵本に、『おならばんざい』(ポプラ社)、『ぼくだけのおにいちゃん』(文研出版)、『いただきまーす!』(フレーベル館)、『花さかじい』(くもん出版)、『いっぴきおおかみのそろり』(教育画劇)などがあり、挿絵には、『ジュン先生がやってきた!』(新日本出版社)、『吹きぬけの青い空』(学研教育出版)、『ひみつの空のにわ』(大日本図書)、『リタイア犬ポリーの明日』(佼成出版社)などがある。
みどころ
……まるまる一冊「おに」だらけ!?
さいとうしのぶさんがおくる「おにの絵本」、どんな内容なのでしょう。
「おにの おにいさん おにくが だいすき」
人間の住む町で美味しいステーキを出すレストランができたらしい。
だけど、今日は節分の日です。
鬼だとばれたら大変です。
「そうだ! にんげんに へんそうだ!」
ヒョウ柄のトレーナーにおろしたてのジーンズ。ぼうしをかぶって、お気に入りの赤いくつをはいたら、どこから見ても人間そっくり。おにあいです。
早速、山から町におりてレストランを探すおにのおにいさんですが、今日は節分の日。おにんぎょう、おにしめ、オニオンスープ……どこに言っても「おに」だらけ、に聞こえるのです。その度にびくびくドキドキ。バレたらいけません。やっとレストランを見つけたと思ったら、ここにも!!
おにのおにいさんの顔が面白くて愛嬌たっぷりなのは、もちろんのこと。ちょっとレトロな商店街のお店の雰囲気や、美味しそうなたべものも登場して、さいとうしのぶさんの世界をたっぷり味わうことができます。そして、もちろんもう一つの大きな魅力が自由自在な「ことばあそび」で進むストーリー。節分の季節だけじゃなく、年間を通してスキップしているみたいに楽しんでもらいたい絵本ですね。
この書籍を作った人
堺市に生まれる。嵯峨美術短期大学洋画科卒業。テキスタイルなどのデザイナーをへて、インターナショナルアカデミー絵本教室に学ぶ。作品には、『あっちゃんあがつく』(原案・みねよう)『しりとりしましょ!』『おしゃべりさん』『おかしなおかしなおかしのはなし』『へんてこかぞえうた 1ちゃんいちにち』『どっきりかぞえうた ちょっぴりこわいぞ』(うた・高木あきこ)『きしわだのだんじりまつり』(作・なかむらしょうこ)『たべものかるた』(原案・みねよう)─以上リーブル 『ぎゅうって』『よーい よーい よい』『あぶくたった』『おべんとうばこのうた』─以上ひさかたチャイルド『たこやきようちえん』(ポプラ社)『べべべんべんとう』(教育画劇)『おいしい おと なぁに?』(あかね書房)『まほうのでんしレンジ』(原案・たかおかまりこ ひかりのくに)『てんとうむしのはじめてのレストラン』(アリス館)『まんまるおつきさん』(作・ねじめ正一 偕成社)『おはなし だいどころ』『おはなし きょうしつ』(以上PHP研究所)『十二支のかぞえうた』(佼成出版)『子どもと楽しむ行事とあそびのえほん』(産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞 のら書店)など多数。
出版社からの内容紹介
節分の日。はたけむぐらのなみだが、コロコロころがって、大きく大きくなって、なみだおにになってしまいました。
この書籍を作った人
兵庫県生まれ。金沢美術工芸大学卒業後、教員生活を経て絵本の世界に入り、独自のはり絵の手法を用いて、繊細で心温まる世界を展開している。『ねこのえほん』(講談社)『そばのはながさいたひ』(佼成出版社)で2年連続でボローニャ国際児童図書展エルバ賞受賞。『いもとようこ うたの絵本T』(講談社)で同グラフィック賞受賞。
みどころ
いつもの帰り道、団地の前の公園に寄り道するのが、タロウのお決まりのコースです。
いつものとおりに遊んでいると、タロウの頭にばさりと大きな影が――!?
「……っと、なんだあ!?」
なんと、おっこちてきたのは、おおきなヒョウ柄パンツ!
「おーい、こっちこっち」
そして、上の方から野太い声。
似たような洗濯物が干してあるのを見つけたタロウは、パンツを届けようと階段をかけのぼります。
すぐに済むと思ったその親切でしたが——団地の階段の先は、思いもよらない冒険へとつながっていたのです!
団地のおばちゃん、黄色い絵ばかり描く奇抜な画家、巨大な牛を部屋で飼っている闘牛士――
みんなの証言を追って、団地の部屋をつぎつぎ訪ね歩いてゆくタロウでしたが、上へ上へと登るうち、なんだかだんだん団地の様子がおかしくなって――!?
ぐにゃぐにゃとゆがんだ廊下、ずらりと並んだおかしな形のドア……
住んでいるのも、ゴリラの親子に、巨大カメレオン!?
この団地、いつもの団地とちがう!!
写実的な筆致で描かれるマカ不思議な世界は、まるで、だれかの夢の中に迷い込んでしまったような読み心地。
可笑しいような、怖いような、言いようのない感覚にゾクゾクさせられます。
「ヒョウ柄の大きなパンツ」の持ち主を探してタロウは不思議な団地をさまようわけですが、そんなパンツの持ち主といえば……そう、だれもが「あの人だろうな」と見当がつくわけです。
「あー、やっぱり」からの「うそー!?」
そう、このパンツには、そんな期待を裏切る、まさかまさかの秘密が隠されているのです……。
この書籍を作った人
1962年生まれ。岐阜県各務原市出身。フリーのイラストレーターとして装画などを手がける。『カミナリこぞうがふってきた』(ポプラ社)で絵本デビュー。細部までとことん描写するユーモラスなタッチと奇想天外なストーリー展開で、絵本の世界を表現してきた。2018年『大名行列』(小学館)で小学館児童出版文化賞を受賞。他の作品に『だれのパンツ?』(KADOKAWA)、『ごじょうしゃありがとうございます』『ガスこうじょう ききいっぱつ』『妖怪伝』シリーズ(いずれもポプラ社)、『バスガエル』(作・戸田和代/佼成出版社)、『ぼくはまいごじゃない』(作・板橋雅弘/岩崎書店)、『アイアン・マン』『マジックショップ』シリーズ(共に講談社)などがある。
出版社からの内容紹介
昭和の名作中の名作童話がモダンに甦ります。
人間と仲良くなりたい赤おに。その気持ちを汲んで、自ら悪役を買って出る親友の青おに。やがて村人たちは競って赤おにの家を訪れるようになります。けれども…。青おにの友情に涙する一冊です。
この書籍を作った人
1974 年広島県生まれ。画家。絵画、書籍の装画、文章、映像作品、絵本を発表している。主な著作に、絵本『ダーラナのひ』(偕成社)『ランベルマイユコーヒー店』(オクノ修 詩、 ミシマ社)『ぼくとたいようのふね』(BL 出版)など。趣味はりんごやいちじくなどの果樹栽培、ポストカード収集。コーヒー党の猫舌。本を読むのがすごく遅い。
文:竹原雅子 編集:木村春子