世界26か国の食べものを紹介した、楽しい大判絵本!
出版社エディターズブログ
2024.04.18
81歳で故郷インドを離れ、子どもたちの住むイギリスへ。
思いたって挑戦したマラソンで、つぎつぎに記録を打ち立て、
なんと、史上最年長の100歳でフルマラソンを完走!
そんなファウジャ・シンさんをえがいた伝記絵本、
『100歳ランナーの物語 夢をあきらめなかったファウジャ』の作者シムラン・ジート・シングさんが、
ご家族との日本旅行の合間をぬって神保町のブックハウスカフェで、
制作時のエピソードや絵本に込めた思いなど、楽しいお話を聞かせてくださいました。
訳者のおおつかのりこさんも駆けつけてくださいましたよ! (2024年3月)
『100歳ランナーの物語』は、シムランさんにとって初めての子ども向けの絵本。
シムランさんがファウジャさんのことを書こうと思い立ったのは、
ニューヨークシティマラソンに参加を決めたのが、
ファウジャさんが100歳でゴールした日と同じ日だったからなのだそう!
〈シムランさん〉
絵本を作るにあたっては、ファウジャに3回インタビューをしました。ファウジャはイギリスに住んでいて、パンジャブ語を話すのですが、私にはパンジャブ語がわからないので、英語で書いて、ファウジャのコーチがそれを訳して聞くという方法で、作りました。コーチもこの本に関わりたいと言ってくれたんです。
家族で食事をする場面では、豆のカレーの「ダール」やパンの「ロティ」など、食べ物の名前を入れてほしいとファウジャから言われて、文章に取り入れました。
〈シムランさん〉
バルジンダーはイギリスに住んでいるので、2日間、ファウジャに密着して、絵を描いてくれました。走っているときのフォームや表情など、細かいところまでよく観察し取材したのです。
巻末のファウジャの写真と、歯をみせて笑っているファウジャの絵、よく感じが出ているでしょう?
〈シムランさん〉
世界中の子どもたちに、伝えたかったんです。『どこの国の人とか、年を取っているということとは関係なく、みんながヒーローになれるんだよ』ということを。ファウジャの話を通して、日本の子どもたちにもそう伝えたいです。進みつづけよう!「Always keep going!」
「日本に来るのは夢だったんだ」と笑顔でお話ししてくれたシムランさん。また遊びにきてくださいね!
4月1日には、ファウジャの113歳の誕生日を祝って、シムランさんがブログに記事を書かれています。下記のリンクボタンより、こちらもぜひご覧ください!
シムランさんのブログ:『Happy 113th Birthday Fauja Singh! Celebrating with a touching event in Japan』
この書籍を作った人
1984年、アメリカ、テキサス州サンアントニオ生まれ。教育者、作家、学者であり、また活動家としてよい社会をつくるため、政治に働きかけている。ファウジャ・シンから刺激をうけてマラソン大会に申し込んだことがきっかけで、ファウジャのように走りつづけている。妻とふたりの娘とともにニューヨーク市在住。
この書籍を作った人
イギリス生まれ。イラストレーター、ストーリーテラー。移民の第二世代であり、シク教徒の社会に興味がある。インドを離れて暮らすシク教徒やパンジャブ出身者から話を聞き、物語を集め、人に伝えたいと思っている。ウルヴァーハンプトン在住。
この書籍を作った人
福島県で生まれ育つ。2007年にはじめての翻訳書『シャンプーなんて、だいきらい』(徳間書店)を出版する。訳書に『くらやみきんしの国』『死について考える本』『わたしのかぞく みんなのかぞく』(ともにあかね書房)、『モルモット・オルガの物語』『オルガとボリスとなかまたち』(ともにPHP研究所)、著書に『元号ってなんだろう 大化から令和まで』(岩崎書店)、「感染症と人類の歴史」全3シリーズ(文研出版)などがある。横浜市在住。JBBY会員、やまねこ翻訳クラブ会員。
この書籍を作った人
1964年、福岡県生まれ。プロ・ランニングコーチ。マラソン・駅伝・陸上競技中継の解説者。早稲田大学時代は、箱根駅伝で活躍。4年連続で山登りの5区を担当し、区間賞を2度獲得し、1984年、85年の2連覇に貢献。大学卒業後、リクルートに入社。87年別府大分毎日マラソンで3位入賞。現役引退後はリクルートランニングクラブで小出義雄監督とともにコーチとして有森裕子、高橋尚子などトップランナーの強化に関わり、その後同クラブの監督に就任。現在はプロ・ランニングコーチとしてオリンピック選手から市民ランナーまで、幅広い層の信頼を集める。テレビやラジオの解説でもおなじみ。『新型コロナ時代のランニング』ほか著書多数。