テレビで話題!いま、かんがえてみませんか?
- ためしよみ
出版社からの内容紹介
とびらをしめたお風呂場で、せっけんあわだち動き出す。ぬぅ〜んと窓から飛び出たら、あとは気ままに空の旅。いろんな形にかわっていたら、かみなりバシーンと鳴り響き――。ぐーんと想像がふくらんでいく、「せっけんの時間(アワー)」へようこそ!
この書籍を作った人
埼玉県出身。上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒業。絵画教室ルカノーズで美術を教える傍ら、キルタースペース絵本勉強会、あとさき塾などで絵本創作を学び、現在に至る。2017年ピンポイント絵本コンペ最優秀賞受賞をきっかけに、2019年『ちゃのまのおざぶとん』(アリス館)で絵本作家デビュー。2021年発刊の『めんぼうズ』(アリス館)は、第6回未来屋えほん大賞入賞、第14回ようちえん絵本大賞受賞。
編集部:2024年3月に発売された『せっけんアワー』は、かねこまきワールド全開の絵本! 自由な展開に「なんだこれ?!」と笑ってしまったのですが、みなさんはいかがでしょうか。想像をふくらませて読めるからか、人によって感想がぜんぜんちがうんです。
しかし読者のみなさんは共通して、(この世界観はいったいどこから生まれたのか…)と気になりませんか? かねこさん、教えてください!
かねこさん:「なんだこれ?!」いただきました。笑
この絵本が生まれたきっかけは、手元にあったせっけんに顔を彫刻してみたことです。白くてきれいで、木や石より柔らかくて、彫りやすそうだなーと思って。笑
そこから、むくむくと想像がふくらんで、お話のタネが生まれて。あとはそこから、どんなことが起こったらいちばんびっくりするかな?と、様々な展開を検討しながら育てていきました。
絵本をつくりながら、「前代未聞の珍事件」というキャッチコピーが頭に浮かびました。笑
まさに、「なんだこれ?!」って、驚き呆れて楽しんでいただけたら嬉しいです。
編集部:絵本で描かれている泡はかなりリアルですよね。面白い方法で描かれているとか。
かねこさん:これはですね、泡立てた絵の具で描いています。って言っても、「は?!」ですよね…。
先ほどの顔を彫ったせっけんの、削りカスがたくさん出ますね。それを水で溶いて、石鹸水をつくります。それで絵の具を溶いて、泡立てます。よい感じに泡立ったところで、原画の上にそうっと乗せます。何回も、繰り返します。溶液の濃度、泡立て方、泡立ち具合などなど、本描きに入る前にたくさん実験を重ねました。
ってがんばって説明しても、なかなか、イメージが伝わりにくいのですが。汗
編集部:良文堂書店松戸店さまで絵本の読み聞かせとサイン会をさせていただき、上野の森親子ブックフェスタでも弊社テントでサイン会にご協力いただきまして、たくさんの方に直接本を手渡せました。書店員さんともお話しするなかで、絵本がどのように受け取られているのか、感じたことはございましたか。
かねこさん:良文堂書店さんでのおはなし会、前半の回では、思いがけずベビーカーのお客様が多くて驚きました。テキストを最小限に、ほぼオノマトペで構成しているので、小さいお子さんも言葉の音感を楽しんでくれるようですね。
作品が自分の手から離れて世に出たあとは、ものすごく心細い気持ちになります。人によって受け取り方はさまざまなので、多様な切り口から読まれることを覚悟してつくっていますが、そんな時に、サイン会などのイベントを開催してくださったり、そこに会いに来てくれてあたたかい言葉をかけていただくと、本当に嬉しいですし、創作の励みになります。
編集部:かねこまきさん、インタビューにお答えいただきありがとうございました!
7月にミニ原画展&トークイベントを行います!
かねこまきさんが絵を手掛けた絵本『いちゴリラ』(ポプラ社)と『せっけんアワー』のミニ原画展が、ブックハウスカフェさんで行われます。こだわりが随所につまった、シュールで独特な世界観をぜひご堪能ください。
7月21日(日)はトークイベントも開催予定。かねこさんによる、新刊の制作秘話、ふだんの創作のアイディアや考えていることなどを、スライドを交えながらお話しします。
詳細はこちら▼
とても素敵な原画展の予感!ぜひ足をお運びください。by 編集部