テレビで話題!いま、かんがえてみませんか?
- ためしよみ
オーシャンビューだし、波の音が聞こえるし、アイスクリームも食べ放題。彼女のつくるお城は普通じゃない! のに……? 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは『すなの おしろ』。ページをめくるたびに広がるのは、女の子の奇想天外な空想の世界。いったいどんな内容なのでしょう。
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
ページをめくるたびにみるみる広がっていくのは、奇想天外、女の子の空想世界。なにしろここには何でもあるし、どんな遊びだってできる。砂のお城の中でスケート! 植物園!? 最高です。そんな立派なお城にうっとりしながら、同時に自分もいつか砂遊びをしていたことを思い出すのです。夢中になりながら、手も動かして。本物だと思ってると、やっぱり砂で……。そしてやってくるのは、あっと驚く最後の展開。ああ、これこれ。この爽快感。
イスラエルの絵本作家が描く砂のお城は、どこか異国情緒もありながら、楽しむポイントは万国共通。独特な色彩やユーモラスな表情も魅力的。探し絵もしながら、隅々までしっかり味わえる1冊です。
空想だったと気づいた後も
その想像力のたくましさと、あっという間に崩れてなくなってしまうという儚さ。「砂遊び」という誰でも共感できるテーマでありながら、ひと味もふた味も違うのは、空想から現実へと戻っていく曖昧な部分の描かれ方! 「あそうか、これは本物じゃないもんね」という部分も含めた楽しみなんですよね。さらに、登場人物の人種の豊かさも面白い。それぞれが個性的に、そして自然に共存していて、こちらも見ているだけで楽しいのです。
この書籍を作った人
イスラエルの絵本作家、イラストレーター。エルサレムにある国立の美術大学、ベツァレル美術学校でイラストとグラフィックデザインを学んだ。卒業後、フリーで活躍。日本で紹介された絵本に『アパートのひとたち』(青山 南/訳、光村教育図書)がある。
この書籍を作った人
福島県に生まれる。早稲田大学卒業。翻訳家、エッセイスト。絵本の翻訳に『プレストとゼストリンボランドをいく』(岩波書店)、『ベンソン先生にあたしはきっと★はもらえない』『おっこちてきた』(光村教育図書)など多数。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)がある。