ディズニープリンセス じぶんもまわりもしあわせにする おやくそくブック(Gakken)
SNSで話題!すてきな大人になるために大切にしたい「おやくそく」を紹介する絵本。
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インタビュー
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2009.01.05
『だるまさんが』の続刊、『だるまさんの』が発売された時には、かがくいひろしさんが絵本ナビ読者の方へこんな可愛い直筆メッセージを描いてくださって、大きな反響を頂きました。
そして、ついに待望の新作「だるまさん」シリーズ第3弾『だるまさんと』の登場です。 その新刊発売を記念して、かがくいひろしさんにお会いして直接お話をお伺いする事ができました!さぁ、その人気の秘密を探ってみましょう……。
かがくいさんの作品といえば、主人公がとってもユニーク!今での作品を並べてみると「おもち」「だるま」「やかん」……一体どこからそんなアイデアが湧いてくるのでしょうか?
「普通なもの、すでにあるものというのがあまり好きじゃないんですね。絵本の主人公になりそうもないもの、身のまわりで光の当たらなそうなものに脚光を浴びさせたい、意外性があるものでびっくりさせたい、という思いはあります。 ただ、そういうものをわざと選んでいるのではなく、自分の中で面白いと感じたもの、絵本になると感じたものを選んでいった結果、こういう主人公が生まれてきたんです。」
と、かがくいさん。
アイデアが浮かぶ時は、「もの」と「動き」がセットになって思いつく事が多いそうです。
例えば『おもちのきもち』だったら「おもちがびろーんと伸びるのって面白いな……。」という発想から。かがくいさんにとって、「この主人公面白いな、可愛いな……」と思って出来上がっていくキャラクターが、(くまさんやうさぎさんのような)いわゆるポピュラーなものじゃなかった、という事なんですね。
例えば『ふしぎなでまえ』の場合、主人公はじゃがいもとさつまいも。
ちょっと地味な感じもするけれど……?(お話はダイナミックですけどね)
「なまけものの野菜の主人公を探していて、おいもがごろごろ=なまけものというのが 思いついたのです。 さといもはちょっとわかりにくいなぁ、と思ってじゃがいもとさつまいもに。僕の中ではとてもポピュラーな主人公だったんだけどなぁ(笑)。」
失礼しました! でも、やっぱり「出前に目がついているキャラクター」なんて誰も思い浮かばないと思います。視点は普通の人とは違うようですが、結果的にとても可愛らしくみえてくるのが興味深い部分ですよね。
もう一つ気になったのが「和風な主人公」が多い……ということ。
「こちらも特に意識している訳ではなく、興味あるもの、関心をひいたものが結果的に……という事が大前提なのですが。行事的なものや季節感というものは大事にしたいと思っています。現在では少し薄れてきているけど、もともと日本は季節感がとっても豊かな国。行事にも、季節と結びついているものが多いですよね。そんな日本という風土で育っている子どもたちの絵本を描いている……という部分が根底にあるのかもしれないですね。」
読者の方のレビューの中でも多いのが、その動きや質感についての感想。絵を見ているだけでも笑っちゃうような、おかしな動きが多いのもかがくいさんの作品の特徴ですね。
かがくいさんは、もともと人形劇をずっとされていたというお話を、絵本ナビでもご紹介させて頂きました。その頃の経験が今の絵本づくりに大きな影響を与えているとのこと。その内容を再びご紹介させていただきます。
※そのとってもユニークな人形劇を演じられている、当時の貴重な映像を見せて頂きました!
ウレタン(座布団の中身などに使われる素材)を二つに折って目玉を二つチョンチョン。
素材はそれだけ。それが、音楽に合わせて踊り出すと不思議!可愛い生き物に見えてきます。
他にも、傘の柄やホースなどの身の回りのものを使って演じられます。
ストーリーがある訳ではなく、音楽に合わせてものを動かすだけ。
これは、小さい子やハンディキャップを背負った子達でも楽しめるようにという発想から考えられていったそうです。
「物を注視していると何かに見えてくる、動きや音をのせるだけで違うものに見えてくる、生命を持っているものに変化する、そういう事を自分自身も面白がって作っていました。いつもアイデアの原点となっていたのは、『もの』『音』『動き』『見立て』。絵コンテも、その人形の動きを書き留めていたものが沢山あります。それを見ていたら……あ、これ絵本に近いなぁと思ったんです。」
実際に人形劇の映像を見せて頂いて、「絵本づくりの原点となっている」というのがすぐに納得できました。本当に、その動きを見ているだけで何だか笑ってしまうのです。
実は、初めて描かれた絵本は『はっきよい畑場所』だったそうです。野菜たちが相撲を取るお話。シンプルだけど、「だるまさん」シリーズにも人形劇にも通じるものがあり、それ以降の作品づくりの原点として読んでも、伝わりやすいかもしれませんね。
それから、困った顔、驚いた顔、恥ずかしそうな顔……かがくいさんの作品の登場人物の表情は本当に豊かですよね。こちらも大きな魅力の一つです。 長年教師をされている事もあり、人の顔に興味があって意識的に?と思ったのですが、お話をお伺いするうちに、むしろ動きやしぐさの一環として表情も描かれているのだなぁ、とわかってきました。もちろん、子どもたちの笑顔を沢山見られてきているでしょうから、そこは無意識でも表現にあらわれているのでしょうね。
さぁ、お待たせしました。「だるまさん」シリーズのお話をお伺いしていきましょう。 「だるまさん」シリーズは、他の作品と少し違って、特にストーリーがある訳でなく、その動きや表情、擬音語だけで進んでいくとってもシンプルな絵本です。
出版社からの内容紹介
だ・る・ま・さ・ん・が・・・・ページをめくって、あらら!びっくり!大わらい!声にだして読んでたのしい、見てたのしい、とってもキュートなファーストブックです。
出版社からの内容紹介
変幻自在のだるまさん。
こんどは、なにをみせてくれるかな?
めがねをはずすと・・・
ミトンをぬぐと・・・
あらら? びっくり おおわらい!
ページをめくるたびにわらい声がはじける、
とびきりゆかいなファーストブックです。
こどもたちに大人気の「だるまさん」シリーズ第2弾!
「音と動きがくっついていて、小さな子やハンディキャップを背負った子など、ストーリーが理解しにくい子達にも伝わるような絵本、というのをずっとつくりたいと思っていたんです。
子どもたちは、擬音語や擬態語というのが大好き。音と言葉と動きがくっついているから、とっても伝わりやすいのでしょうね。
例えば僕が『どてっ。』と言いながら転ぶだけでも、すごく笑ってくれるんですね。
そんなところから発想が湧いてきたのかもしれません。」
日常生活でも、常に絵本のアイデアを考えているというかがくいさん。新聞やテレビを観ている時、トイレに入っている時、夜中に目を覚ました時、ふっとイメージが絵で浮かんでくるのをノートに書き留めているのだそうです。そうしてノートの端々に沢山のスケッチがたまっていくのだそうで、『だるまさんが』も出版される5年も前からノートに存在していたそうですよ!
「絵本作家さんでも、文章から書かれる方もいるかと思いますが、僕はそれは出来ないんです。アイデアの段階で、言葉を書き留める事もありますが、それも全部イメージは絵や動きで浮かんでいて、それを表わす面白い言葉としてメモしているんですね。」
原案とほとんど変わっていないのですね。
「このアイデアをブロンズ新社さんに見せたら、面白いから出版しましょうとすぐに決めてくれて。すごい事ですよね。 僕のやりたい事をすぐに理解してくれて、実現してくれたので本当にありがたかったです。」
そこから、絵の順序を少し変更したり、表情を編集の方とやりとりしながら加えていって、完成したのが『だるまさんが』。出版されてから、あっという間に大人気の絵本となっていったのです。
「アイデアが浮かんでから、それを頭の中で絵本の形にする時が一番楽しい瞬間です。
そこでラフに起こして実際に形としてあがった時というのは本当に嬉しいですね!」
続編の『だるまさんの』も同じように、沢山のアイデアスケッチの中からスムーズに決まっていったそうです。同じように見えて、実は全然違うアプローチ方法なのが、また新鮮で面白いですよね。
こうして出来上がった『だるまさんが』『だるまさんの』。
皆さんのレビューなどを読んでいて、小さな子やあかちゃんにもユーモアというのはちゃんと伝わるんだな、と改めて発見させられました。
興味深かったのが、小さな子だけでなく、小学生や大人までも大爆笑の渦に巻き込んで、世代を超えた人気の絵本となっている……という事。小学校のクラスでの読み聞かせにも使われたりしてるそうですね。
「それは僕も驚きました。
大人が面白いと思う絵本を、小さな子が全部面白いと思うのは(ストーリーなどもあって)難しい部分もあると思います。(誤解を恐れずに言えば)子どもというのはまだ大人ではないからだと思うのです。
でも、子どもが面白いと思うものを一緒に楽しめるのは、大人はみんな子どもだったからかな……と思っています。」
既刊2作と違って、新作は少し試行錯誤が続いたそうです。
アイデアはいくらでも浮かんでくるのだそうですが(新しい事を考えるのはとても好きなのだそうです)、「意外性」と言う部分にもこだわって、なかなかすんなりOKとは行かなかったようで。
編集の方からのヒントやアドバイスも入り、それに対してまた沢山のラフスケッチを作成します。
「一つ提案をすると、思いもよらない形で本当にたくさんのスケッチが返ってくるんです。」
編集の方も、かがくいさんとのお仕事にとってもやりがいを感じられるとおっしゃっていました。そんなやりとりの後に出来上がった『だるまさんと』は、かがくいさんもとてもお気に入りだそうですよ。
このシリーズは、次はどんな展開でくるのか想像するのも楽しみの一つですよね。
その期待を裏切っていきたいとかがくいさん。
「この展開は読めないでしょう……。」と皆さんの驚く顔を想像しながら、楽しんでつくられたそうです。
さて、どんな驚きが待っているのでしょう!!
出版社からの内容紹介
みんなだいすき だるまさん。
あらあら こんどは おともだちと・・・・・・
いちごさんと ばななさんと めろんさんと
だるまさんが、くだものさんと、あんなことやこんなこと。
ページをめくるたび、笑顔がはじけるゆかいなファーストブックができました。
「例えば子どもに絵本を読んであげる時、ちょっと読み間違えただけで気づくんですよね、『ちがうよ!』と。これはきっと、何回も何回も読んでもらっているうちに覚えてしまっていて、『読み聞かせて』もらいながらも『自分で読んでいる』という気持ちになっているんだろうね。それで、訂正してもらったり、一緒に読んでみたり。
テレビやビデオなんかだと、間違えたりする事もないし、こういうやりとりは起きないですよね。こんな風に、人と人の関わりが生まれるというのが、絵本の持っている大切な部分で大きなちからだと思うのです。」
この「だるまさん」シリーズは、読んでいる大人の方も笑っちゃう絵本。親子で楽しそうに過ごしているその時間が浮かんでくるようです。
それでは、今後どのような絵本をつくっていきたいと考えられているのでしょう?
「とにかく色々なものをつくりたいと思っています。自分に規制はかけたくないです。
その時その時に受けた刺激をどんどん吸収して、形にこだわらず浮かんだアイデアをどんどん実現していきたいですね。」
常に新しい事を考えるのが好きだとおっしゃるかがくいさん。それはしかけ絵本かもしれないし……
「描いていて、自分も驚いていたいし、楽しんでいたい。常に新鮮な気持ちでいたいです。もちろん、音や動き見立てなど、自分の興味を引くものはずっと大事にしていきたいとも思っています。」
先程も記した通り、皆さんのレビューを本当に喜んで読んで下さっているというかがくいさん。
素敵なメッセージを頂きました!
「今の大変な時代に悲しい本というのは、ちょっとつらいなぁと思うのです。僕はふんばって笑顔になれる、笑える絵本というのをつくっていきたいと思っています。絵本を通して、一時でも親子で楽しく笑顔になってくれればと思うのです。
僕も実は悲観的な考えになってしまう事も多いのですが、絵本を描く事で笑顔になっています。皆さんもどうか元気な笑顔でいてください!」
お忙しい中、ありがとうございました。
最後に……かがくいさんのお人柄が伝わるおまけエピソードをひとつ。
「僕の誕生日は福山雅治と一緒だと言う事も伝えてくださいね!」
お約束は果たしましたよ!