コナコナが作るのは、自家製の小麦粉と森で集めた木の実の天然酵母でつくるパン。その工程をじっくり丁寧に美味しそうに描いているのが絵本『パンやのコナコナ』。こんなパン屋さんが近くにあったら幸せなのにな…と誰もが思ってしまう作品をつくられたのは、人気作家のどいかやさんとこの作品がデビュー作(!)となるにきまゆさん。
作者のどい かやさんと、絵を描かれているにき まゆさんが絵本ナビオフィスに遊びに来てくださいました!
この絵本、登場する動物たちはもちろん、まわりにいる小さな鳥や虫たち、台所道具や材料の小麦まで、とにかく可愛いのです。はっと気がつくとパンの生地にまで顔が!それがとても自然なのが不思議。私、パンの生地が可愛いと思ったの、初めてかもしれません(笑)。
それもそのはず。にきさんは、この絵本を制作される際に天然酵母のパンを作る方の所に取材に行かれて、その生き物のようなパン生地の魅力にすっかり魅入られてしまったのだそう。
その後、パン屋でアルバイトもされたのだとか!?仕事をしながら、思う存分パン生地が発酵されていく様子を観察されていたそうです(笑)。
その成果は、絵本の中の発酵場面で十二分に発揮されているので楽しみにしてくださいね。
ひたすら可愛くて美味しそうで、ただただ幸せな気分になれるこの絵本。
実は完成までにはとても長い年月が経っているのだそうです。
始まりはにきさんが自らの作品をブロンズ新社さんに持ち込みをされた事。その時のファイルも見せていただきました!
とても完成度の高いこれらの作品を見て、ピンと来たのが担当編集者。
ちょうどその頃、どいかやさんがおはなし作家としても活動を考えられていた時期だったのです。
早速、にきさんの絵をどいさんに見せたところ…
「あ、ずっとあたためていたあのパンのお話の絵を描いてもらおう!」と瞬間的に決まったのだそうです。
すでにどいさんの頭には『パンやのコナコナ』の原点となるお話があり、イメージしていた絵とにきさんの絵のイメージがぴったり重なったのだそうです。(今よりもシックで静かなイメージだったそうですが。)
すぐにお二人は意気投合、作品作りがスタートしたそうです。そういう事ってあるんですね…。
「でも、そこから4年もかかったんです。」と、にきさん。
お話も色々と変更していったそうですが、何しろ絵本制作自体が初めて。
編集者と二人三脚で少しずつ制作が進んでいき、やっと完成したそうです!
まさにコナコナのパン屋さんのパンと一緒で、色々な人が関わりながら丁寧に作られた絵本なのですね。
どれも思い入れのある場面ばかりだそうですが、特におまじないをとなえる場面がお気に入りだそうです。
ここだけ、少し不思議な雰囲気も漂っていますよね。
さて。そんなお話を聞いている間中、絵本を見ながら「あー可愛い!美味しそう!」とずっとつぶやかれていたのがどいさん。まるで初めて見たかの様な反応です(笑)。
本当ににきさんの絵がお好きなんですね。
どいさんの特にお気に入りの場面も教えて頂きました。
「色々な命が関わりあいながらパンが完成していくお話の全てを表してくれている場面。本当に豊かで美しくてとにかく可愛らしくて。泣きそうになります。」
どいさんのご近所にもやはり天然酵母のパンを作る方がいらっしゃるのだそうです。
そのパンがあまりにも美味しくて、出来上がったお話がこの『パンやのコナコナ』だったのだそうです。
パンに魅せられた女性が二人。にきさんとどいさん。
当然、パンについての話が止まらなくなり…
更にブロンズ新社さんスタッフ、絵本ナビスタッフも巻き込み、パン談義に花が咲き続けたのでした。
そんな幸せな絵本、『パンやのコナコナ』。皆さんも是非手に取ってみてくださいね。
記念にぱちり。
最後に、編集担当の山縣さんよりコメントを頂きました!
にきさんは色白でほっそりしているけれど実はこう見えて中学・高校とバトミントン部の元体育会系。
カバーがなかなか決まらずにくじけそうになったときも「部活のつもりで」がんばってくれました。
根性無しの帰宅部出身編集者はそのガッツにただただ感謝でした…
にきさん、どいさん、素敵な本をありがとうございます!