おいしいにおいがただようこの通りは「レストランどおり」。いつも大勢の人でにぎやかです。 そこへよたよたとやって来たのは、ニードル。 細いからだに、とがった鼻、そしてとてもお腹をすかせているのら犬です。
行列ができるほど評判のお店に、ふらっと入っていったニードル。 思わずテーブルの上に足をかけて料理に近づこうとすると・・・ 「あっちへいけ!」 びっくりしたニードルは、大騒ぎのレストランから逃げ、そのまま街のはずれまでやってきたのですが、はらぺこで歩く元気もありません。 すると目の前に立っていたのはさびしいお店。名前は「ヌードルのめんのおみせ」です。 お店の中に入ってみると、そこにいたのはのっぽのコック、ヌードルさん。 なんだか雰囲気が似ているニードルとヌードルさん。このふたりの出会いこそ、これから起こる素敵な出来事の始まりなのです!
ヌードルさんは親切だし、その上ご馳走してくれた山盛りのめんはとっても美味しい! でもお客さんが来ないのです。 そこで、ニードルはニードルなりに考えて・・・あることを思いつきます。 「ぴゃん! ぴゃん!」
予測もつかない展開に、一体どうなるんだろうと不安がよぎりますが、最後に見られるのはみんなのとびっきりの笑顔。やっぱり美味しいものは、みんなを幸せな気持ちにさせてくれますよね。
作者は絵本『たかこ』で鮮烈絵本デビューを飾った清水真裕さん。 奇想天外な話のようでいて、でもしっかりとニードルの気持ちの変化を描き出しています。そんな興味深い内容を絵にしているのは西村敏雄さん。ニードルの表情を楽しんでくださいね!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
おなかをすかせたのら犬ニードルと、のっぽのコックさん、ヌードルさんが出会ったら…予想もしないすてきなことが起こりました!
以前、保育園の子ども達に読んだら、とても喜んだ紙芝居がありました。
『やせいぬニードル』というタイトルで、はりのように やせた犬が主人公のおはなしです。
「絵本になったら いいのになぁ」と、思っていたのですが、ややや・・・これはもしかして!?
まちがいありません!
また、ニードルに出会えました!
しかも念願の絵本の形で!!
タイトルや絵など、紙芝居とは少し違う部分もありましたが、それもまた楽しく拝見しました。
絵を描いている西村さんは、絵本の絵を描くとき、
”繰り返し読むのに耐えられるか”ということを意識して描かれるそうです。
なるほど。西村さんの描く絵本は、登場人物(動物も!)の どこかとぼけた表情が絶妙で、色遣いも味わい深く、何度読んでも飽きません。
紙芝居も良いのだけれど、絵本にはまた格別の味わいがあります。
子ども達を大いに沸かせたニードルの活躍が、絵本になったことで、より子ども達の近くに届くことをうれしく思います。 (まほうのえほんさん 30代・その他の方 )
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