梢がおばあちゃんからあずかった葡萄色のノートには、戦前朝鮮半島に渡った少女すずの手記に始まり、5人の少女の喜びや悲しみ、亡き父への想い、朝鮮・韓国への愛が書き綴られていた。
14〜5歳の直系の女の子が代々書いていくノート。家族のことや今の自分の想いが綴られています。
そこには泣く泣く朝鮮に渡ったことだったり、朝鮮の山に緑を戻す仕事だったり、引き揚げてから受けた辱めだったり、結核を患ったこと。さまざまに代々の女の子の気持ちが綴られています。
ファンタジーと心軽く読んでいた私はビックリ。朝鮮侵略、そこで生きた日本人、引き揚げのことも、教科書で習った程度にしか知らなかったので、ひとつひとつベールを剥いでいくような繊細で複雑な想いに自分を乗せて、飽きることなく読みました。
えらいリアルだけど、これ実話?え?と最後まで。
作者の母の創作に後を繋げたようですね。確かに最初は雰囲気違います。
これを児童文学世代が読んでくれたら、そりゃ嬉しいなぁ。作者の思いがわかる。
オバサンでさえう〜んと思ったもの。主人公と同じ十代に読んで欲しい。考えて欲しい。返却期限が大丈夫なら娘に読ませたかった。
これこそ人の人生を体験できる読書の醍醐味をいっぱいに詰めた本。
主人公の揺れる想い、経験して確信していく想いがよく伝わってきました。反対派の友達と話し合おうという姿勢がいいなと思いました。
国の歴史に埋もれた個人の想いは違う。ほんと、そうかも。教科書ではなく、身近な人にたくさんのお話を聞いていきたい。 (てぃんくてぃんくさん 40代・せんせい 女の子11歳)
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