温泉町の共同浴場の休憩時間。その時間は人ではないもののけたちが仕事の疲れをいやしにやってくる。偶然、そこに立ち会ったかえでは、番台の仕事を手伝うようになる。
4年生の女の子かえでが夏休みの不思議な体験を通して成長するお話です。
この不思議な体験っていうのが、
誰にも言ってはいけない内緒のお手伝いから始まるのでわくわくさせられました。
公衆浴場の休憩時間、特別なお客さん、もののけ温泉、謎だらけの糸子ババ…
秘密めいた言葉のオンパレードにどんどんお話に引き込まれますよ。
読み終わった時には、お話の楽しさだけじゃなく
作者から子ども達へのあったかいメッセージも心に残りました。
これは涙が出そうになった時の気持ちの切り替え方とか、
仕事やお手伝いをする上での気持ちの持ちようとかなのですが
実生活や学校ですぐに実践できそうでもあるし、
一生大切にするべき大切な習慣のようにも感じます。
これを理解し、身に付けられたら一人前!
糸子ババが初めてかえでを名前で呼ぶ最後の場面からは、
暗にそんな言葉も聞こえてきそうでした。
お話の舞台のモデルは宮城県の鳴子温泉ということですが
北関東育ちの私は、自分にとっての懐かしい伊香保や草津の温泉街を思い出しながらら
たっぷりと温泉の雰囲気を満喫することが出来ました。
いつ読んでも楽しいと思いますが、夏休み前の今からがちょうど読み時かもしれません。 (西の魔女さん 40代・その他の方 )
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