目の錯覚で、木の模様が人の顔に見えた」など、私たちは「錯覚」という言葉を何気なく使います。錯覚とは、本当にあるものが、実際とは違うように感じられる現象のことです。その中には、物理学的な原因をもとにして起きる物理現象や、心の動きが関係する心理現象があります。また、目に見える視覚の錯覚のほかにも、聴覚、味覚、触覚、嗅覚など、いろいろな感覚器官で錯覚は起きています。これらの感覚器官は、実はとてもだされやすいのです。 本書は、次のように、まず錯覚を実際に体験してもらい、次に、錯覚が起きるメカニズムを見ていき、最後に、錯覚を実験・観察するという構成になっています。<第1章 錯覚を体験しよう>目の錯覚は起きるかな? <第2章 錯覚の謎にせまろう>錯覚って何だろう・錯視って何だろう・錯聴って何だろう <第3章>錯覚を実験しよう 物を見る目が変化する1冊。
トリックアートなどの作品紹介が中心だと思ったら、かなり本格的な「錯覚」の入門書でした。
第一章では、描かれた図やイラストで、実際に錯覚を体験します。つづく第二章では、錯覚の分類やしくみが、豊富なイラストと簡潔な章立てで説明されています。第三章は、実験・観察の紹介(この章のヴォリュームは少なめ)。
視覚だけでなく、聴覚についても、少しですが触れられていて、とても面白く読みました。
自分で掘り下げて読むならば、小学校高学年ぐらいからでしょうか。予期せずに出会えた、良い本でした。
科学を楽しむ、一冊。
自由研究のヒントにもなるかもしれません。 (こはこはくさん 40代・ママ 男の子10歳)
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