北海道北部の滝上町に「陽殖園」という庭がひっそりとあります。春から秋にかけて、約800種の花が咲くこの庭は、高橋武市さんという人が14歳のときから、たったひとりで、土地を均し、山を築き、池を掘り、一木一草にいたるまで手をかけて作りあげてきた「夢の庭」です。迷路のような道を巡りながら、この夢の庭を散策してみてください。
「たくさんのふしぎ」2006年6月号です。
自然は何も手を加えなくても、1日1日、季節ごとに素晴らしい絵巻物を見せてくれるので、人工的な植物園や庭に違和感を覚えることがあります。
しかし、
ここに紹介されている北海道滝上町にある陽殖園はどうでしょう。その生い立ちに圧倒されるばかりです。
この植物園を作っているのは高橋武市さんというたったひとりの男性です。家族の支えを得ながらも、14歳の時から50年間ずっとひとりで黙々と、この植物園を作り上げたのです。
14歳の時から50年間ずっとひとりで・・
今や7.5ヘクタールにまで広がった陽殖園は、高橋さんの手によって日々塗り広げられていく「絵本」のようです。
取材して文を書かれたさとうち藍さんは、「高橋さんは庭のデザインを誰に教わったわけでもなく、植物を長く見ていることで、植物の方からこうしたらどうかと教えてくれたのだ」と言います。
神様が高橋さんに筆を持たせているのだと思います。
この植物園を実際に見たい!と強く思いますが、もしそれがかなわなかったとしても、こんな人がいてこんな夢の庭があるということを知っただけでも、とても幸せな気持ちになれました。 (あさやんさん 40代・その他の方 )
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