赤毛のワル狐がやってきた! まる穴屋敷のあるじルナールは、ずる賢さと策略が自慢。今日も仲間の動物たちをだますやら、ペテンにかけるやら、肉や魚をかすめ取るやらのやり放題。狼のイザングランも山猫のティベールも、烏も鶏も四十雀も、それからお百姓やお坊さんまで、毎度毎度のきりきり舞いです。たまにはどじをふむけれど、あとにはきっときついお返し。こわいものなんか、ありゃしない! 原典『狐物語』は、中世フランスの動物叙事詩。 たくさんの動物たちを登場人物とする物語の中に、中世の風物や雰囲気、そこに生きる人々の暮らしぶりと思いを生き生きと描き出した傑作です。 L.ショヴォーの現代語訳<子ども版>から選んだ22篇を、山脇百合子さんが明快で親しみやすい日本語に訳し、現地取材の成果をもりこんだ挿絵をたっぷりつけました。さあ、あなたも フランス中世の野へ森へ、ルナールに会いに…。
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