ミルキー杉山でおなじみ「あなたも名探偵」シリーズや「怪盗ショコラ」シリーズなどたくさんの楽しい作品を生み出し、ストーリーテラーとしても活躍されている児童書作家の杉山亮さんから、小学校中学年の子どもたち向けのお話が届きました。表紙には白衣を着たウサギ、リス、イタチ…とかわいらしいおばあさん。いったいどんなお話がはじまるのでしょう。
広々とした高原の一角に、赤い三角屋根の小さな家がたてられました。引っ越してきたのは、花柄のワンピースを着た上品でかわいらしいおばあさん。おばあさんの名は、水田マリ(みずたまり?)。マリさんは最近耳が遠くなった気がして困っています。そんな時、森へ散歩に出かけて見つけたのが「ウサギ医院」の看板。「ウサギ、サル、モグラほか森の動物の診察をします。ついでに人間もみてもいいです」との案内を見て、マリさんは早速耳を診てもらおうと中をのぞいてみると、見えたのはウサギのお医者さんがバーベルを持ち上げている姿!しかも聞こえすぎてうるさいという長い耳には耳栓が…。ちょっと変わったお医者さんですが、大丈夫なんでしょうか? その後も「イタチ医院」に「リス医院」とつぎつぎ変わったお医者さんを見つけては、耳の診察をしてもらうマリさん。なかなかチャレンジ精神あふれるおばあさんです。けれどやっぱり動物の先生だけあって、どのお医者さんもちょっとへん、いやかなり変わっているんです。
お話の途中で、どんどんダジャレが飛び出したり(いくつ見つけられるでしょうか?)、動物たちとおばあさんの漫才のようなやりとりもおかしくてたまりません。でも動物たちがお医者さんになった理由には、涙なしには語れない事情があるようで、ちょっと考えさせられてしまうような真面目なシーンも。
さて、マリさんの耳がよく聴こえなくなってしまったのは…?それは意外なモノが原因だったようですよ。 しかも同じモノのせいで、マリさんの息子さんが窒息しかける事件まで起こって、ハラハラするやらおかしいやら。 その意外なモノは、皆さんもよく知っているアレのようですから、読んだ後は十分取り扱いに気をつけてくださいね。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
森に建てられた小さな家に、上品なおばあさんが引っ越してきました。耳が遠くて困っていたおばあさんが森へ出かけると、「ウサギ医院」という病院が…。なぜ動物がお医者さんをしているのでしょう? ユーモアたっぷりの物語。
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