つばのあるお気に入りのぼうし。 ある時、ここ一番強い風がぴゅーっと吹いて、 大好きなぼうしが飛んでいってしまったら・・・。 風にのってどんどん、どんどん、見えなくなるくらいまで遠くに飛んでいってしまったら?
ひゅるるるるるるー
この絵本の主人公は、 はなちゃんの頭から風に飛ばされて空に舞い上がった青色の「はなちゃんのぼうし」。 そのぼうしの視点をとおして、ぼうしが見たいくつもの美しい風景や楽しい出会いを描いた素敵な作品です。 物語の舞台は、風にのって身近な町の動物園から、畑、海、山・・・空へとうつりかわります。 はなちゃんのご自慢のぼうしはたどり着いた先々で、出会った誰かにとても気に入られてしまうのですが、 「ぼくは、はなちゃんのぼうしだもの!」と健気にはなちゃんのもとへ帰ろうと頑張るのです。
飛ばされた帽子にそんな大冒険が待っていたとしたら? 一体どんな出会いがあったの?と帽子の気持ちを考えながら次々夢がふくらみます。 作者は、この絵本がはじめての絵本となる丹治匠さん。 現在、実写映画、アニメーション、テレビドラマなどの映像美術において大活躍されています。 ご自身も三人のお子さんの父親として絵本の読み聞かせをしながら、絵本の面白さや奥深さについて再認識されたそうです。「想いを抱くことの大切さ」「出会いの楽しさ」を子どもたちに伝えられたら、という丹治さんの想いが大切に表現されています。
なんといっても、みどころは見たことのないような帽子から見た大胆なアングルの俯瞰の描写。そして、刻一刻と変わる空の色。だんだんと染まる夕焼け、夕闇の美しさに目が奪われます。 ぜひとも帽子の表情にも注目しながら、読んでみてくださいね。 読み終わったあとは、なんだか優しく清々しい気持ちになる1冊です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
あっ! はなちゃんのそらいろぼうしが風で飛ばされちゃった…。風のままに、きりんの頭に、わたりどりの上、はては、月までさまようぼうしくん。「なんとかして戻らなくっちゃ。だってぼくははなちゃんのぼうしだもの!」どうする?どうなる? 持ち主のもとへ戻ろうと奮闘するかわいいぼうしの物語。
はなちゃんという女の子が主人公と思いきや・・・
風に飛ばされたはなちゃんの「ぼうし」が主人公の観点が面白かったです。
飛ばされたぼうしが見た景色が、飛べるとこんな景色が見えるのかー!と、どこかわくわくします。
ぼうしを飛ばされちゃったはなちゃんは残念でしょうけどね。 (まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子12歳)
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